幕間講義 5 ジョハリの窓 (後) ※未知の窓を除く
文字数 6,668文字
穂高:では、行くわね。倉本君と岡本さんのやり取りだけど、さっき矢印の方が分かり易い
って言ってくれてたから同じ形式をとるわね
会長→岡本さん 電話を取って欲しい “秘密の窓”(自分の想い)
岡本さん→会長 私との電話より後輩 “秘密の窓”(自分の想い)
※お互いの開示の成立
会長→岡本さん それが駄目だったら聞いてくれる “解放の窓”
(以前のやり取り)
〘色んな人→岡本さん 会長と二人きりは必要ない “秘密の窓”
〘中条→岡本さん 会長からの失礼な感想 “秘密の窓”
岡本さん→会長 嘘つき(岡本さんの“秘密の窓”
※お互いの開示、非成立
会長→岡本さん 泣いてるだけ。話合いできず 秘密の窓
(追い込まれつつある自分)
岡本さん→会長 優しくしてくれない 秘密の窓(約束を守ってくれない)
会長→岡本さん 優しくして欲しい 秘密の窓
岡本さん→会長 自分ばっかりで人のせい 秘密の窓
(好きな人に見せる姿じゃない)
※会長から蒼依さんへの開示のみで、お互いの開示自体は“非成立”
会長→岡本さん 好きでもない女子は嫌だ 秘密の窓
(会長の一つの意志・愛美の“秘密の窓”・ノック)
岡本さん→会長 好きな異性の話なんて求めてない 秘密の窓
(意思疎通失敗)
※お互いの開示、壊滅
※ここで印象が決まる(愛美側)
会長→蒼依さん 電話の盗み聞き 秘密の窓 (非常識人)
蒼依さん→会長 女子に電話する時間じゃない 秘密の窓 (非常識人)
※ガチ当たり(窓の
会長→蒼依さん 岡本さんへの邪魔はしないで! 秘密の窓 (本気度の態度)
蒼依さん→会長 ①親友が困ってる 秘密の窓 (任せられない)
②親友が怖がってる “秘密の窓”
(任せられない②)
※お互いの開示、“拒否”
会長→蒼依さん 岡本さんに一途 秘密の窓
(浮気しない・付言で経済的余裕も)
蒼依さん→会長 ①彼氏がいます! ≪解放の窓≫……(A)(再認識のお願い)
それにお金なんて論外です!! “秘密の窓”(女をバカにすんな!)
②友達を大切にするのが愛ちゃん “秘密の窓”
※(A)解放の窓の理由⇒優希と言う彼氏がいるのを会長は把握してるので
愛美も優希と言う彼氏がいるのを何度も伝え続けているので
それを当人同士どころかみんなが知ってる公認事実のため
※お互いの開示、結果……“拒否”
【会長→蒼依さん 空木は浮気してる 秘密の窓のつもり(俺は一途)】
【会長→蒼依さん 好きな人の悪口 秘密の窓のつもり(本当の空木を教える)】
※意思疎通、完全決裂……理由
【愛美→会長】 ①他人の気持ちを口にしない 愛美が左記2枚の“秘密の窓”
②人の悪い話、好きな人の悪 会長が知る由なく愛美の秘密の窓を踏み
い話なんて聞きたくない 荒らした
※意思疎通完全決裂の結果理由は、下記“盲目の窓”でもう一度説明します。
※ここで二人の印象が決まる
実祝:すごい……ジョハリの窓凄い
冬美:あの電話をジョハリの窓に直すとこうなるんですね
中条:なんて言うか、なんでこんなクソ会長にみんな群がるんだ?
直実:それはこの会長の秘密の窓の中を知らないからだな
優珠:……虫の生態なんて知りたくないわよ
優希:……愛美さんと蒼依さんにそこまで言ってしまってたのか
咲夜:あたしの時と同じくらい酷い……
蒼依:……改めて見直しても酷いね
愛美:……ごめんね蒼ちゃん。こんなにも酷い言葉をぶつけられていたんだね
倉本:……
九重:(ホントにこの話の登場人物どうなってるの? 前回に続いてみんなこんな事考えて
会話してるの?)
慶久:(……ねーちゃんたち。疲れそうだろ? 毎回こんな事考えて会話してるんだぜ?)
朱寿:気持ちはわたしもそれ以上なんだけど、今は違う所に注目なんだよ
直実:まずこれで気付いて欲しいのは――優珠ちゃん分かるかな?
朱寿:(……今日は大粒の涙で決まりなんだよ)
優珠:まず愛美先輩と断金へと至った親友からの秘密の窓の非開示が多いわね
穂高:そうね。まずはそこよね
咲夜:つまり非開示って半分くらいあるけど、最低半分は会長に自分の気持ちを伝えてない
って事?
実祝:ん。そう言う事。こんな会長に教える気持ちも秘密も本音もない
愛美:だから私も、会長には何の気持ちも伝わっていないって感じたんだ……
蒼依:愛ちゃん。会長に愛ちゃんの気持ちを教える必要はないからね。愛ちゃんは空木君に
しっかりと気持ちを伝える事。分かった?
冬美:……
優珠:あんた……
優希:ありがとう蒼依さん。蒼依さんの気持ちに全力で応えられるように愛美さんを大切に
するよ
佳奈:お兄さん
直実:まとめると、ここも結局はさっきと似たような状況なんだけど、会長が愛美ちゃんに
自分の気持ちを分かって欲しくて、次々と秘密の窓を開示してるのに対して、まともに
開けた窓が半分くらいって所は重要で、開示した会長は当然全部呼応する形で愛美
ちゃんも開けてくれてると思ってるから、所々に不一致とか失敗とかがあるんだ
佳奈:ひょっとしてこれが男女の盛り上がりの違いやったりするんですか?
穂高:よく分かったわね。その通りよ。さっき八山さんも説明してくれたけど、男子側は自分
が開けたら女子も開けてくれると勝手に思ってる。でも女子側からしたら、開けたから
と言ってすぐに開けるとは限らないのよ
倉本:……それは……どうしてですか? 話して分かり合うのが人間関係なんじゃないんです
か?
女子:(……何都合のいいこと言ってるのよ)
朱寿:それはね、男性の持つ狩猟本能と女性の持つ母性本能が影響するんだけど、次かその次
くらいで解説する予定なんだよ
倉本:では今は……教えて頂けないんですね
優希:倉本。気の毒だけど、僕たちの戦いが終わるまでは、お互い正々堂々と持ってるもので
勝負するぞ?
女子:(副会長……カッコいい)
愛美:(……どうして私以外の女の子の前で格好つけるのかな)
蒼依:それから、私が意図して会長に伝えなかった愛ちゃんの気持ち、予め伝えた会長に
対する印象も知って欲しい
優珠:そうね。これは愛美先輩をよく知った上で、愛美先輩を大事にしてるからこそ出来た
やり取り、かけ引きよね
実祝:ん。だからこそ現在の愛美の印象を知る由が無かった会長は、愛美の気持ちを余計に
推し量れなかった
咲夜:つまり蒼依さんは、この時点で会長と愛美さんの仲を引き離してたって事?
蒼依:もちろんだよ。そもそも私は初めから愛ちゃんと会長は反対だったし
咲夜:……
優希:本当にありがとう
佳奈:お兄さんの応援しをしてくれはる、岡本先輩の友達も多いし優珠ちゃんも安心やな
優珠:……ふんっ!
直実:そうだな。この時はさすが愛美ちゃんの親友だって思ったよ。それ以外にも番号を
振った二つもあるんだけど、愛美ちゃんの親友は、本当は知って欲しくない愛美ちゃん
の秘密の窓を、別の窓の開示と言う形を取って、見事にその真意自体を隠してしまって
いるんだ
九重:……え? そんな事出来るの?
蒼依:九重さん。出来るの? じゃなくてするんだよ。でないと会長なんかに愛ちゃんの
気持ちを教える訳にはいかないの
倉本:……
中条:さすが愛先輩と蒼先輩。無敵に近いですよね
蒼依:愛ちゃんの親友としてもちろん
朱寿:?! で、でも愛さんの一番の理解者はわたし
咲夜:語尾一つまで争いを……苛烈すぎる
優希:二人とも知ってる僕としては……
佳奈:お兄さんも大変ですね
優珠:何が大変なのよ。ただ腹黒の親友と魔女に振り回されてるだけじゃない
穂高:はいはい。みんなケンカしないの。以上までの説明でいかにして岡本さんが倉本君への
印象を落としたのか、岡本さんと防さんが元より会長なんて受け入れてなかったのかを
分かってもらえたと思うけど――
冬美:――ちょっと待って下さい。一番初めに仰って頂けました、“盲目の窓”の説明はどう
なったんです?
九重:何を言ってもこの雪野さんも真面目
実祝:ん。伊達に統括会やってない。副会長の件が無ければ
咲夜:……そう言えばあたしも副会長にフラれたけど、その話題なんて無いような?
直実:本当に愛美ちゃんの友達は一人を除いて、しっかりと学ぶ意欲を持ってて将来が楽しみだ
咲夜:……
慶久:なんて言うか。ドンマイ!
朱寿:それじゃ。今回最後の決定打、二人の印象が決まるやり取り、“盲目の窓”なんだよ
穂高:それが二つの【カッコ】部分ね
彩風:でも 秘密の窓開示のつもり って書いてありますけど
冬美:でも霧ちゃん。これ“つもり”って書いてません?
中条:大方男の事だから、また独りよがりなんだろ?
実祝:いつ見てもすがすがしい程の男嫌い
優珠:……つまり、この虫が秘密の窓を開示したつもりでも、愛美先輩たちから取ったらそう
取れなかったってゆう事? それとも虫が単細胞だってゆう事?
佳奈:優珠ちゃん。いつもにも増してキッツいなぁ
優珠:当たり前じゃない。どうしてこんなにもおぞましい生き物に、優しくゆわないと
いけないのよ
彩風:……
直実:優珠ちゃんもその辺にな。それでみんなが気付いてくれた通り、この“つもり”なんだ
けど、会長からしたら副会長は浮気してる、副会長の本当の姿を教えるって、
“副会長の”秘密を開示しようとしてるんだ
愛美:優希君の秘密って……何でそれを会長から教えてもらわないといけないんですか?
直実:それは愛美ちゃんが、この時点で会長に“人の気持ち、噂を勝手に他人が口にしては
いけない”と言う愛美ちゃんの考え方を伝えて
開示して
朱寿:愛さんにとっての当たり前は、会長さんには普通じゃないって事なんだよ
蒼依:違うよ。愛ちゃんにとってあの会長は合わないって事だよ
二人:……
中条:あの。会長。申し訳ありませんが、この物語から退場して頂けません?
九重:男子に対してさすがに辛辣過ぎじゃない?
実祝:そんな事ない。会長がいなかったら二人の喧嘩は半分以下だった
彩風:……
優珠:人はそれを“余計なお世話”ってゆうのよ
直実:ただこの一言が決定的になったのは、もう一つ相手の取り方を考えなかったからなんだ
穂高:それは私もやってしまったけど、電話口だったから気付けなかったのもあるのよね……
多分
慶久:電話口って何だよ
直実:この会長。しかも愛美ちゃんと電話を替わるのを否定されたから頭に血が上って電話口
で怒鳴っただろ? この時、愛美ちゃんの親友は怖がったし、近くに寄ってた愛美
ちゃんにもその怒鳴り声が聞こえて
反応が分からなかった。よって判断が付かなかった。
つまりこの時点で愛美ちゃんたちには“図らずとも”会長が好きな人に対しても平気で
怒鳴れるって分かってしまったんだ
倉本:怒鳴ったって……俺にはそんなつもりは――
直実:――そう。まさにそこなんだ。それは自分がそう思ってるだけ。他者から見られた時に
気付いていない自分像、“盲目の窓”なんだ
実祝:会長。言い訳は見苦しい。だったら何で次の日に愛美にあんな誠意のない謝りの
メッセージを送ったのか説明がつかない
倉本:それは岡本さんの友達を邪険にし過ぎたから……
慶久:……いくらなんでもねーちゃんを知らなさすぎだろ
優珠:そうよ。つまり、自分では怒鳴ってる認識はなかった。だけど相手にはそう聞こえた。
つまり自分では怒鳴ってると気付かなった思いも寄らない自分、知らなかった自分――
つまり盲目の窓を、愛美先輩たちに見つけられたって会話でもあったのよ
中条:でもそれを知らずにいたら、愛先輩はもっと大変なことになったんじゃないんですか?
穂高:それは母性本能を持った女性側から見た意見でしょ? もちろん私も女性だから同意見
だけど男性からしたら、狙った女性に対しての失点はゼロにしたいわけだから、致命的
なのよ。この辺りもさっき船倉さんが言ってくれた母性本能と狩猟本能の話ね
直実:それに補足しとくと、今回の“盲目の窓”は、負の印象での例題になったけど、実際は
もっと良い印象での例題もたくさんあるから、“盲目の窓”イコール悪! と決めつける
のだけはしないでな
直実:最後全体の流れをまとめの意味でざっくりと行くな。
朱寿:愛さんと会長は初めから窓の開きに差があって、開示してない窓も多かった
穂高:それを知らずに倉本君は、岡本さんに窓を開示し続けて、一人その気になって盛り上が
ってた
優珠:そこに開示した窓の差が、決定的となる出来事、電話口でのやり取りが発生し、
まとめて露呈した
中条:その結果、めでたく二人は完全破局、悪夢の可能性が無くなった結果になりました
彩風:いやなりましたって……
実祝:でもざっくり要約するとそう言う事
直実:ちなみに以前から散々出て来てる“未知の窓”だけど、これはメインテーマになるから
もうしばらくは出て来ない
朱寿:だからそれまでの間に、みんななりの考え方をまとめといて欲しいんだよ
穂高:そうね。これが最終テーマに隠れた裏テーマにもなってるから、最後はみんなで頭を
絞って欲しいわね
巻本:……そうだな。俺も失敗しながらだけどしっかり勉強したい(やっと追いついた!)
愛美:……いつも色々とありがとうございます。八山さん。
直実:良いよ。愛美ちゃんが知りたかったら何でも質問に答えるから、遠慮は無しで行こうな
朱寿:(……とっても寂しいんだよ)
優希:(僕だって愛美さんが知りたいなら、調べてでも答えるのに)
優珠:(わたしに聞けば、今まで全部答えてるじゃない!)
佳奈:ホンマにみんな分かり易いな
愛美:それじゃいつも通り、ここからは今後の展開だね
実祝:ん。今後は更に意味不明
咲夜:それだと分かんないって。でも読者様の展開通りにはいかないと思います
冬美:……ワタシ。人が変わったみたいになってるんですけど
中条:それに副会長も所詮は男だったって話だしな
優珠:なにそれ。わたしのお兄ちゃんにあんた文句あるんじゃない。今から表に出なさいよ
佳奈:優珠ちゃん落ち着かんなアカンで! ここ岡本先輩の家やからな
倉本:……お。俺だって……最後まであきらめないからな……
彩風:清くん。声震えてるよ?
九重:本気の恋愛ってここまでなの?!
慶久:ま。しばらくは恋愛の話だからな
穂高:それでも教頭先生の課題も意識はしてるのよね?
巻本:当然です! 岡本が大切な約束を忘れるわけないじゃないですか
朱寿:なんかここだけを見てたら本当に意味が分からないんだよ
和葉:それはあっしだって同じですよ……(好きな人の攻略……大変参考になったので今回は
由とします)
全員:(い……いたんだ)
直実:それもそうだけど、今後同じような印象の変化を遂げる登場人物が二人いるので、
合わせてジョハリの窓を意識しながら追って頂けると、より実践でジョハリの窓を
活かせるようになるはずだ
二年:と言う事で、この恋愛話は210話。後二単元分続きますので、もうしばらくお付き合い
ください
三年:その間にほとんど全ての恋愛に決着がつきます
男子:それとは別に裏で敷き続けてる伏線も走り続けてます。
女子:これからももう少し続きますが、ジョハリの窓を意識しもって追いかけて頂ければ
嬉しく思います!
全員:ですので今後もよろしくお願いします!
って言ってくれてたから同じ形式をとるわね
会長→岡本さん 電話を取って欲しい “秘密の窓”(自分の想い)
岡本さん→会長 私との電話より後輩 “秘密の窓”(自分の想い)
※お互いの開示の成立
会長→岡本さん それが駄目だったら聞いてくれる “解放の窓”
(以前のやり取り)
〘色んな人→岡本さん 会長と二人きりは必要ない “秘密の窓”
非開示
部分〙〘中条→岡本さん 会長からの失礼な感想 “秘密の窓”
非開示
部分〙岡本さん→会長 嘘つき(岡本さんの“秘密の窓”
非開示
)※お互いの開示、非成立
会長→岡本さん 泣いてるだけ。話合いできず 秘密の窓
(追い込まれつつある自分)
岡本さん→会長 優しくしてくれない 秘密の窓(約束を守ってくれない)
会長→岡本さん 優しくして欲しい 秘密の窓
開示
だが……(窓の大きさの不一致)岡本さん→会長 自分ばっかりで人のせい 秘密の窓
非開示
(好きな人に見せる姿じゃない)
※会長から蒼依さんへの開示のみで、お互いの開示自体は“非成立”
会長→岡本さん 好きでもない女子は嫌だ 秘密の窓
(会長の一つの意志・愛美の“秘密の窓”・ノック)
岡本さん→会長 好きな異性の話なんて求めてない 秘密の窓
非開示
(意思疎通失敗)
※お互いの開示、壊滅
※ここで印象が決まる(愛美側)
会長→蒼依さん 電話の盗み聞き 秘密の窓 (非常識人)
蒼依さん→会長 女子に電話する時間じゃない 秘密の窓 (非常識人)
※ガチ当たり(窓の
開示
成立⇒お互い“拒否”:両矢印の喧嘩:非常識人)会長→蒼依さん 岡本さんへの邪魔はしないで! 秘密の窓 (本気度の態度)
蒼依さん→会長 ①親友が困ってる 秘密の窓 (任せられない)
②親友が怖がってる “秘密の窓”
非開示
(任せられない②)
※お互いの開示、“拒否”
会長→蒼依さん 岡本さんに一途 秘密の窓
(浮気しない・付言で経済的余裕も)
蒼依さん→会長 ①彼氏がいます! ≪解放の窓≫……(A)(再認識のお願い)
それにお金なんて論外です!! “秘密の窓”(女をバカにすんな!)
②友達を大切にするのが愛ちゃん “秘密の窓”
非開示
※(A)解放の窓の理由⇒優希と言う彼氏がいるのを会長は把握してるので
愛美も優希と言う彼氏がいるのを何度も伝え続けているので
それを当人同士どころかみんなが知ってる公認事実のため
※お互いの開示、結果……“拒否”
【会長→蒼依さん 空木は浮気してる 秘密の窓のつもり(俺は一途)】
【会長→蒼依さん 好きな人の悪口 秘密の窓のつもり(本当の空木を教える)】
※意思疎通、完全決裂……理由
【愛美→会長】 ①他人の気持ちを口にしない 愛美が左記2枚の“秘密の窓”
非開示
のため②人の悪い話、好きな人の悪 会長が知る由なく愛美の秘密の窓を踏み
い話なんて聞きたくない 荒らした
※意思疎通完全決裂の結果理由は、下記“盲目の窓”でもう一度説明します。
※ここで二人の印象が決まる
実祝:すごい……ジョハリの窓凄い
冬美:あの電話をジョハリの窓に直すとこうなるんですね
中条:なんて言うか、なんでこんなクソ会長にみんな群がるんだ?
直実:それはこの会長の秘密の窓の中を知らないからだな
優珠:……虫の生態なんて知りたくないわよ
優希:……愛美さんと蒼依さんにそこまで言ってしまってたのか
咲夜:あたしの時と同じくらい酷い……
蒼依:……改めて見直しても酷いね
愛美:……ごめんね蒼ちゃん。こんなにも酷い言葉をぶつけられていたんだね
倉本:……
九重:(ホントにこの話の登場人物どうなってるの? 前回に続いてみんなこんな事考えて
会話してるの?)
慶久:(……ねーちゃんたち。疲れそうだろ? 毎回こんな事考えて会話してるんだぜ?)
朱寿:気持ちはわたしもそれ以上なんだけど、今は違う所に注目なんだよ
直実:まずこれで気付いて欲しいのは――優珠ちゃん分かるかな?
朱寿:(……今日は大粒の涙で決まりなんだよ)
優珠:まず愛美先輩と断金へと至った親友からの秘密の窓の非開示が多いわね
穂高:そうね。まずはそこよね
咲夜:つまり非開示って半分くらいあるけど、最低半分は会長に自分の気持ちを伝えてない
って事?
実祝:ん。そう言う事。こんな会長に教える気持ちも秘密も本音もない
愛美:だから私も、会長には何の気持ちも伝わっていないって感じたんだ……
蒼依:愛ちゃん。会長に愛ちゃんの気持ちを教える必要はないからね。愛ちゃんは空木君に
しっかりと気持ちを伝える事。分かった?
冬美:……
優珠:あんた……
優希:ありがとう蒼依さん。蒼依さんの気持ちに全力で応えられるように愛美さんを大切に
するよ
佳奈:お兄さん
直実:まとめると、ここも結局はさっきと似たような状況なんだけど、会長が愛美ちゃんに
自分の気持ちを分かって欲しくて、次々と秘密の窓を開示してるのに対して、まともに
開けた窓が半分くらいって所は重要で、開示した会長は当然全部呼応する形で愛美
ちゃんも開けてくれてると思ってるから、所々に不一致とか失敗とかがあるんだ
佳奈:ひょっとしてこれが男女の盛り上がりの違いやったりするんですか?
穂高:よく分かったわね。その通りよ。さっき八山さんも説明してくれたけど、男子側は自分
が開けたら女子も開けてくれると勝手に思ってる。でも女子側からしたら、開けたから
と言ってすぐに開けるとは限らないのよ
倉本:……それは……どうしてですか? 話して分かり合うのが人間関係なんじゃないんです
か?
女子:(……何都合のいいこと言ってるのよ)
朱寿:それはね、男性の持つ狩猟本能と女性の持つ母性本能が影響するんだけど、次かその次
くらいで解説する予定なんだよ
倉本:では今は……教えて頂けないんですね
優希:倉本。気の毒だけど、僕たちの戦いが終わるまでは、お互い正々堂々と持ってるもので
勝負するぞ?
女子:(副会長……カッコいい)
愛美:(……どうして私以外の女の子の前で格好つけるのかな)
蒼依:それから、私が意図して会長に伝えなかった愛ちゃんの気持ち、予め伝えた会長に
対する印象も知って欲しい
優珠:そうね。これは愛美先輩をよく知った上で、愛美先輩を大事にしてるからこそ出来た
やり取り、かけ引きよね
実祝:ん。だからこそ現在の愛美の印象を知る由が無かった会長は、愛美の気持ちを余計に
推し量れなかった
咲夜:つまり蒼依さんは、この時点で会長と愛美さんの仲を引き離してたって事?
蒼依:もちろんだよ。そもそも私は初めから愛ちゃんと会長は反対だったし
咲夜:……
優希:本当にありがとう
佳奈:お兄さんの応援しをしてくれはる、岡本先輩の友達も多いし優珠ちゃんも安心やな
優珠:……ふんっ!
直実:そうだな。この時はさすが愛美ちゃんの親友だって思ったよ。それ以外にも番号を
振った二つもあるんだけど、愛美ちゃんの親友は、本当は知って欲しくない愛美ちゃん
の秘密の窓を、別の窓の開示と言う形を取って、見事にその真意自体を隠してしまって
いるんだ
九重:……え? そんな事出来るの?
蒼依:九重さん。出来るの? じゃなくてするんだよ。でないと会長なんかに愛ちゃんの
気持ちを教える訳にはいかないの
倉本:……
中条:さすが愛先輩と蒼先輩。無敵に近いですよね
蒼依:愛ちゃんの親友としてもちろん
なんだよ
朱寿:?! で、でも愛さんの一番の理解者はわたし
なんだ
――もん
!咲夜:語尾一つまで争いを……苛烈すぎる
優希:二人とも知ってる僕としては……
佳奈:お兄さんも大変ですね
優珠:何が大変なのよ。ただ腹黒の親友と魔女に振り回されてるだけじゃない
穂高:はいはい。みんなケンカしないの。以上までの説明でいかにして岡本さんが倉本君への
印象を落としたのか、岡本さんと防さんが元より会長なんて受け入れてなかったのかを
分かってもらえたと思うけど――
冬美:――ちょっと待って下さい。一番初めに仰って頂けました、“盲目の窓”の説明はどう
なったんです?
九重:何を言ってもこの雪野さんも真面目
実祝:ん。伊達に統括会やってない。副会長の件が無ければ
咲夜:……そう言えばあたしも副会長にフラれたけど、その話題なんて無いような?
直実:本当に愛美ちゃんの友達は一人を除いて、しっかりと学ぶ意欲を持ってて将来が楽しみだ
咲夜:……
慶久:なんて言うか。ドンマイ!
朱寿:それじゃ。今回最後の決定打、二人の印象が決まるやり取り、“盲目の窓”なんだよ
穂高:それが二つの【カッコ】部分ね
彩風:でも 秘密の窓開示のつもり って書いてありますけど
冬美:でも霧ちゃん。これ“つもり”って書いてません?
中条:大方男の事だから、また独りよがりなんだろ?
実祝:いつ見てもすがすがしい程の男嫌い
優珠:……つまり、この虫が秘密の窓を開示したつもりでも、愛美先輩たちから取ったらそう
取れなかったってゆう事? それとも虫が単細胞だってゆう事?
佳奈:優珠ちゃん。いつもにも増してキッツいなぁ
優珠:当たり前じゃない。どうしてこんなにもおぞましい生き物に、優しくゆわないと
いけないのよ
彩風:……
直実:優珠ちゃんもその辺にな。それでみんなが気付いてくれた通り、この“つもり”なんだ
けど、会長からしたら副会長は浮気してる、副会長の本当の姿を教えるって、
“副会長の”秘密を開示しようとしてるんだ
愛美:優希君の秘密って……何でそれを会長から教えてもらわないといけないんですか?
直実:それは愛美ちゃんが、この時点で会長に“人の気持ち、噂を勝手に他人が口にしては
いけない”と言う愛美ちゃんの考え方を伝えて
いない
、愛美ちゃんの秘密の窓を開示して
ない
から、この部分でも噛み合わなくなってるんだ朱寿:愛さんにとっての当たり前は、会長さんには普通じゃないって事なんだよ
蒼依:違うよ。愛ちゃんにとってあの会長は合わないって事だよ
二人:……
中条:あの。会長。申し訳ありませんが、この物語から退場して頂けません?
九重:男子に対してさすがに辛辣過ぎじゃない?
実祝:そんな事ない。会長がいなかったら二人の喧嘩は半分以下だった
彩風:……
優珠:人はそれを“余計なお世話”ってゆうのよ
直実:ただこの一言が決定的になったのは、もう一つ相手の取り方を考えなかったからなんだ
穂高:それは私もやってしまったけど、電話口だったから気付けなかったのもあるのよね……
多分
慶久:電話口って何だよ
直実:この会長。しかも愛美ちゃんと電話を替わるのを否定されたから頭に血が上って電話口
で怒鳴っただろ? この時、愛美ちゃんの親友は怖がったし、近くに寄ってた愛美
ちゃんにもその怒鳴り声が聞こえて
しまった
。でもそれらは電話口だったために、反応が分からなかった。よって判断が付かなかった。
つまりこの時点で愛美ちゃんたちには“図らずとも”会長が好きな人に対しても平気で
怒鳴れるって分かってしまったんだ
倉本:怒鳴ったって……俺にはそんなつもりは――
直実:――そう。まさにそこなんだ。それは自分がそう思ってるだけ。他者から見られた時に
気付いていない自分像、“盲目の窓”なんだ
実祝:会長。言い訳は見苦しい。だったら何で次の日に愛美にあんな誠意のない謝りの
メッセージを送ったのか説明がつかない
倉本:それは岡本さんの友達を邪険にし過ぎたから……
慶久:……いくらなんでもねーちゃんを知らなさすぎだろ
優珠:そうよ。つまり、自分では怒鳴ってる認識はなかった。だけど相手にはそう聞こえた。
つまり自分では怒鳴ってると気付かなった思いも寄らない自分、知らなかった自分――
つまり盲目の窓を、愛美先輩たちに見つけられたって会話でもあったのよ
中条:でもそれを知らずにいたら、愛先輩はもっと大変なことになったんじゃないんですか?
穂高:それは母性本能を持った女性側から見た意見でしょ? もちろん私も女性だから同意見
だけど男性からしたら、狙った女性に対しての失点はゼロにしたいわけだから、致命的
なのよ。この辺りもさっき船倉さんが言ってくれた母性本能と狩猟本能の話ね
直実:それに補足しとくと、今回の“盲目の窓”は、負の印象での例題になったけど、実際は
もっと良い印象での例題もたくさんあるから、“盲目の窓”イコール悪! と決めつける
のだけはしないでな
直実:最後全体の流れをまとめの意味でざっくりと行くな。
朱寿:愛さんと会長は初めから窓の開きに差があって、開示してない窓も多かった
穂高:それを知らずに倉本君は、岡本さんに窓を開示し続けて、一人その気になって盛り上が
ってた
優珠:そこに開示した窓の差が、決定的となる出来事、電話口でのやり取りが発生し、
まとめて露呈した
中条:その結果、めでたく二人は完全破局、悪夢の可能性が無くなった結果になりました
彩風:いやなりましたって……
実祝:でもざっくり要約するとそう言う事
直実:ちなみに以前から散々出て来てる“未知の窓”だけど、これはメインテーマになるから
もうしばらくは出て来ない
朱寿:だからそれまでの間に、みんななりの考え方をまとめといて欲しいんだよ
穂高:そうね。これが最終テーマに隠れた裏テーマにもなってるから、最後はみんなで頭を
絞って欲しいわね
巻本:……そうだな。俺も失敗しながらだけどしっかり勉強したい(やっと追いついた!)
愛美:……いつも色々とありがとうございます。八山さん。
直実:良いよ。愛美ちゃんが知りたかったら何でも質問に答えるから、遠慮は無しで行こうな
朱寿:(……とっても寂しいんだよ)
優希:(僕だって愛美さんが知りたいなら、調べてでも答えるのに)
優珠:(わたしに聞けば、今まで全部答えてるじゃない!)
佳奈:ホンマにみんな分かり易いな
愛美:それじゃいつも通り、ここからは今後の展開だね
実祝:ん。今後は更に意味不明
咲夜:それだと分かんないって。でも読者様の展開通りにはいかないと思います
冬美:……ワタシ。人が変わったみたいになってるんですけど
中条:それに副会長も所詮は男だったって話だしな
優珠:なにそれ。わたしのお兄ちゃんにあんた文句あるんじゃない。今から表に出なさいよ
佳奈:優珠ちゃん落ち着かんなアカンで! ここ岡本先輩の家やからな
倉本:……お。俺だって……最後まであきらめないからな……
彩風:清くん。声震えてるよ?
九重:本気の恋愛ってここまでなの?!
慶久:ま。しばらくは恋愛の話だからな
穂高:それでも教頭先生の課題も意識はしてるのよね?
巻本:当然です! 岡本が大切な約束を忘れるわけないじゃないですか
朱寿:なんかここだけを見てたら本当に意味が分からないんだよ
和葉:それはあっしだって同じですよ……(好きな人の攻略……大変参考になったので今回は
由とします)
全員:(い……いたんだ)
直実:それもそうだけど、今後同じような印象の変化を遂げる登場人物が二人いるので、
合わせてジョハリの窓を意識しながら追って頂けると、より実践でジョハリの窓を
活かせるようになるはずだ
二年:と言う事で、この恋愛話は210話。後二単元分続きますので、もうしばらくお付き合い
ください
三年:その間にほとんど全ての恋愛に決着がつきます
男子:それとは別に裏で敷き続けてる伏線も走り続けてます。
女子:これからももう少し続きますが、ジョハリの窓を意識しもって追いかけて頂ければ
嬉しく思います!
全員:ですので今後もよろしくお願いします!