第186話 揺れる感情と恋情 Bパート

文字数 7,991文字

「あのさ。変な事聞いて良い?」
 食堂からの帰り道、さっきまでは優しい雰囲気の中でお昼をしていたのに、咲夜さんがまた聞きにくそうにして口を開く。
「この際愛美に全部聞いてもらう」
 もちろん全部聞くつもりはしているけれど、この際とか、全部とか、改まって私に何を話したいのか。
「いや、大した事じゃないんだけどさ……愛美さん。その……誰かに教えてもらったの?」
“?”
 言い淀んだ割に、いや。言い淀むほどの内容だからなのか、主語が無いから私が何を誰に教えてもらったのか判然としない。
 実祝さんも同じように思ったのか、
「大丈夫。愛美は正直に言えば、最後にはどんな事でも赦してくれる」
 補足してくれるのは嬉しいけれど、その咲夜さんに対して何て励まし方をしてくれるのか。
 その言い方だと、私の頭の中がお花畑になっているようにしか聞こえないんだけれど。
「ありがとう実祝さん――愛美さん。男子が喜ぶ“隙”が明らかに減ってるんだけど、誰かに教えてもらったか対策を立てるかしたの?」
「誰かじゃなくて副会長に指摘してもらって、副会長と言う男目線で対策を立ててる。むぅ。つまり副会長も愛美の“隙”を目にしてる。昨日はステキだったけど微妙。蒼依に相談」
 しかも私に聞いたはずなのに実祝さんが答えて、
「……そう言えば昨日の空木君も、愛美さんの“隙”を消すのに慣れてたようにも見えた」
 咲夜さんが昨日の優希君の行動のせいで、合点が行ってしまったみたいだ。
「それで愛美。副会長に指摘してもらって対策を立てた?」
 挙げ句二人共がそれぞれ答えを出し合った上で、私に確認して来るのに何の意味があるのか。いや、このままだと私が恥ずかしい人になってしまうから、しっかりと否定しておかないといけないのか。
 実祝さんからしたら昨日の優希君はステキなのかもしれないけれど、私からしたらただ恥ずかしかっただけなんだから、優希君にはしっかりと反省してもらうんだからっ。
「実祝さんも咲夜さんも変な想像はくれぐれもしないでね。確かに“隙”は減っているとは思うけれど、私からそんな恥ずかしすぎる事を、いくら彼氏だからって優希君に頼めるわけがないんだからね。
 ただ、あのメガネみたいな男子や戸塚やサッカー部男子の時のような嫌な思いを、二度と優希君にして欲しくないし、私自身会長みたいに他の男子からそう言う目で見られるのも嫌だから朱先輩……もちろん女の人だよ。に、色々教えてもらったり対策を立てたりしているんだよ」
 その上で今、目の前にいる私の友達を含めた優希君に、もう一度私の、私だけの気持ちをしっかりと分かって貰おうと心に決める。
「愛美ごめん。そんなつもりじゃなかった。ただ昨日の副会長のエスコートは、二人で足りない部分を補ってるように見えて良い雰囲気だなってあたしは思った。そんな男子が中々いるとは思えないけど、それはあたしの一つの理想」
「……」
 私の気持ちが届いたのか、それとも違う作用を生み出したのか、思わない形で実祝さんの自分の恋愛観と言うか理想の男の人を語ってくれる。
「ううん怒ってはいないよ。それにしても実祝さんのその関係も理想的で良いよね。それだとお互い安心してありのままの自分でいられそう」
 もっとも、優希君みたいに下心が分かり易くなるとその分恥ずかしさも増してくるだろうけれど、お互いを信頼し合ってこその関係であるのは間違いないと思う。
「だからあたしの場合、こんなあたしでもゆっくり話を聞いてくれる人が良い」
 この物語の初めの方でも思ったけれど、この口数の少なさと雰囲気が合わさって喋りかけにくい雰囲気ではあるけれど、実際喋ると面白いし、仲直りした今となっては友達想いだなって言うのもすごく伝わって来る。
 だからって言う訳じゃ無いけれど、理想像がハッキリしている実祝さんにも良い人が見つかると良いなって思う……もっとも実祝さんの彼氏になる男の人は、お姉さんが厳しく判断しそうだけれど。
「咲夜は……咲夜?」
 その実祝さんが、恋バナ好きの咲夜さんにも恋愛観を振ろうとして、元気が無くなっている咲夜さんに気付いた実祝さんが呼び直すと、
「……なんか愛美さんにしても実祝さんにしても、やっぱりあたしとは違うんだなって」
「違うって?」
 そもそも恋愛観だって人それぞれなんだし、みんな違って当たり前だと思うのに咲夜さんの吐いた溜息が気になる。
「あたしだったら男子ってスケベなのは分かってるし、下心があっても視線を感じたらあたしに気があるのかなって考えてしまいもするし、それでもやっぱり一緒にいて楽しければそれが一番だと思うから」
 もちろんその相手が苦手な人とか、嫌いな人じゃなければって言うのはあるけど。と付け足す咲夜さん。
 以前朱先輩から女子側が声を掛けただけで、少し優しくしただけで勘違いする男子は多いって聞いて、あの会長の押しの強さを目の当たりにして、理解自体は出来るようになっている。
 だったら男の人だけじゃなくて、女の人だって男の人からの視線や優しさに勘違いする女の子がいたって何の不思議もないし、下手をしたら彩風さんと会長との関係だってその部類に入るかもしれないのだ。
 もちろんこの場合は彩風さんの気持ちがあってこそだから、完全に当てはまる訳では無いけれど、好きでもないのに優しくしたり頭に手を置いたりするのは、女の人が勘違いしたって何の不思議でもない。その中で相手に本気になったとしても、むしろ自分を見てもらう一つのきっかけとしては普通の話だと思うのに。
「でもそれでお互い意識し始めて、お互いを見るきっかけになる場合はあるんじゃないのかな」
 これが出来なかったのはむしろ彩風さんじゃないのかと思うくらいなのに。
 もちろんそれだけだと、体目的で私や朱先輩。それに蒼ちゃんだってそんな男の人なんてお断りだけれど、中条さんの言う通り、やっぱり初めはお互いを見てもらわないと話にはならないと思うのだ。
「……確かにそうかも知れないけど、それでも愛美さんは空木君に嫌な思いをして欲しくないし、他の男子から見られるのも愛美さん自身が嫌だから。愛美さんからしたら嫌な言い方だろうけど、他の男子からへの期待とかはないんだよね」
 ……何となく咲夜さんの言わんとしている事は分からないでもない。

 これは私の勝手な想像だけれど、周りで彼氏の愚痴や不満を零している人たちの話からしても、何となく“この人良いな”くらいの感覚でお付き合いを始めて、みんなが意識しているかどうかは分からないけれど、お互いの“ジョハリの窓”の“秘密の窓”や“盲目の窓”を開示して行く間に少しずつその相手とのズレを感じて、自分にはもっと合う人がいるのかな。
 少し俗的な理由も入るけれど、お金であれ相手であれ、話題であれ。もっと自分が幸せになれるような相手、自分を幸せにしてくれる相手が別にいるのかなって、期待する気持ちの流れもあると言う事かなと思う。

「無いって言うか。不器用な私にはそんな器用な事なんて出来ないし、未だに優希君の新しい一面に驚かされたりで、他の男の人に興味を持っている暇なんて無いよ。それに男の人にだって感情や気持ち、心があって当たり前なんだから、優希君の気持ちが伝わっている今、とてもじゃないけれど優希君を傷つけるような言動なんてしたくないし、する気もないよ。
 それに私たち女の子が男の人に幸せにしてもらうだけじゃなくて、私たちも男の人を幸せに出来るように、彼女にして良かったって思ってもらえるように、自分磨きも努力もするべきだと思ってはいるかな」
 冬美さんとの間で涙した時にお母さんから教えてもらった、女としての心構えと言うか気持ちの持ち方。あの時教えてもらった考え方は、私の胸にストンと落ちて今もずっと心の中に残っている。
 その考え方を中条さんや彩風さんに続いて咲夜さん、実祝さんの前でも披露する形になる。
「その上で優希君が、他の男の人には絶対“隙”を見せて欲しくないって、私に面と向って言ってくれたんだから、やっぱり優希君の気持ちはちゃんと聞き届けたいよ。もちろん私に、他人の恋愛観を否定する気持ちなんて無いし、そうじゃなくても幸せに暮らしている女の人だってたくさんいる」
 だけれど、お母さんが教えてくれたように、私たちも自分が選んだ男の人を幸せにするくらいの気持ちを持つべきだと思うし、“お互いに理解し合える”方が、相手と喧嘩なんてしなくて済むだろうし涙する回数も減らせると私は、思うのだ。
「……ありがとう愛美さん。愛美さんが空木君に本気だって言うのは分かるよ……あたしなんかでは及ばないくらい。それでもあたしだって空木君に対しては遊びじゃなかった。あんなにまで愛美さんを第一に考えてあたしを断ってくれた空木君にあたしを見て欲しかった。惹かれたあたしの気持ち、初恋だけは大切にしたかった。だから本気

って言える。『咲夜……』その一方で、やっぱり愛美さんと空木君の間にあたしの入る隙間なんて無いんだなって分かってしまった。
 だからあたしは、自分でもズルいって思うけど愛美さんの友達でいたいから、待ってくれてないかも知れないけど、蒼依さんともまた楽しくお喋りがしたいから、空木君への想いは自分の中にしまっておくね」
 言って涙を一筋流しながら笑う咲夜さん。
 私はそんな咲夜さんをズルイだなんて思えない。私だって自分の幸せや周りの笑顔に対しては貪欲なんだから、むしろそれくらいで良いと思うのだ。
「優希君のよさを理解してくれてありがとう。それから蒼ちゃんは心のどこかでは必ず咲夜さんを待ってくれているよ。それは私が保証する」
 もう過去の話だったとしても、少なくとも蒼ちゃんが“咲ちゃんとも最近喋ってないよぉ”って心の叫びを口にしたのは聞いているのだから。
「愛美の言う通り。蒼依は絶対許してくれる。愛美の前に立った人間は例え蒼依であっても最終的には赦す。例外はない。だから愛美の機嫌だけは損ねたらダメ。これだけは絶対条件。愛美を怒らせると本気で怖い。それはあたしが保証する」
 確かに蒼ちゃんが実祝さんとの仲の説得をしてた通り、今度は私か蒼ちゃんへ咲夜さんの説得をしようとは思っていたけれど、私が怒ると怖いと言うのはどう言う事なのか。私は誰もを赦すくらい優しいんじゃないのか。
「そんな保障なくたって、あたしも体感してる。しかも電話口で」
 しかも二人の橋頭保をしようとしているのに、咲夜さんまでそんな事を言うのか。
「だったら……」
「うん。とにかく島崎君だけでも愛美さんを何としてでも諦めてもらう」
 ……でもまあ。私をダシにして二人が笑い合えると言うなら、その先にある笑顔で教室の雰囲気が少しでも明るく軽くなって、先生の自信も少しだけでも戻ると言うのなら、
「うん! 二人ともお願いねっ」
 それは誰にとっても良い事だと思うのだ。
 私のお願いに二人共が無言で私を見つめたかと思ったら、次の瞬間には溜息をついて二人仲良く並んで歩くそのすぐ後ろを私が付いて教室へと戻る。


宛元:理沙さん
題名:会議前に連絡ください
本文:雪野から話を聞きました。そして副会長からも補足説明を聞きました。

 午後の授業が終わって、終礼までの間。今も二人からメガネの所に行って話をしてくれているのを目にしながら、昼休み最後の出来事を思い出す。

「ちょっと月森さん。さっきも会長が来てたんだけど早く何とかしてよ」
 本当に久しぶりに優しい雰囲気で摂れたお昼の後。残り僅かになった昼休み終了間際に戻った教室で、九重さんが咲夜さんを待っていた。
「早く何とかって、今日も会長来てたの?」
 だけれど、さっき私が説明したのが早速功を奏したのか、咲夜さんが落ち着いて対応をする。今日は統括会があるから急ぎ私に連絡しないといけない用事もないはずなのに。
「結芽。咲夜の責任じゃない。それに今じゃ、あたしも咲夜も会長に対していい印象なんて持っていない」
「責任じゃ無いって。次は無責任にも逃げるの? うちも含めて会長が来るたびに教室全体が変な空気になるんだけど。焚きつけた本人が無責任にも――」
「――分かった。今日も会長が来ていたんだね。だったら今日の統括会で、ただですら教室内の空気が重いんだから、用も無いのに私のクラスには来ないでって言ってみるよ」
 皆の笑顔の先にある、先生の自信につながるようにとの決意の矢先での話で、思わず私が仲裁に入る。
「結局岡本さんがそうやって解決するの? 男子は会長に誰一人何も言わないし、うちが会長に話しても岡本さん1点張りだし」
 何となく九重さんも悪人ではないんだろうくらいは分かる。だけれど、その言い方だと今度は九重さんを起圧者とした同調が出来上がってもおかしくなくなる。
「私が解決って言うか、今日統括会があるからクラスの代表として会長に意見を言うだけだよ。それは別におかしな話じゃないでしょ? その代わりあのメガ――『島崎君』――は二人に任せるんだから、それで何とか納得してもらえないかな。でないと逆に九重さんが教室の空気を悪くすることになるよ」
 本当なら咲夜さんは悪くないって話を、会長の気持ちの変化と冬美さんとの協力関係の話を合わせてしたかったのだけれどいくら私が嫌いな相手だからって、人の気持ちを勝手に口に出来ないからと、メガネを盾にさせてもらう。
「岡本さんが納得した上で、本当にあの島崎君を何とかするって言うのなら、うちからは何も言えなくなるけれど……月森さん。感じ悪いよ」
 それでも納得出来なかった九重さんが、言葉を捨て置いて自分の席へと戻って行く。

 ただ、今の時間は二人で行動に移してくれているからか不満そうにはしているけれど言葉に出すような雰囲気は感じない。

宛先:理沙さん
題名:分かった
本文:あまり時間ないけれど終礼終わったら一度連絡するね

 二人の間にホッとした私が、手早くメッセージの返信だけをして終礼に備える。

 その終礼で伝えられたのは改めてこの4連休だけは部活が全面禁止になる事。だから今日の最終下校時刻までに腐りそうな飲食物は持って帰るなりして処分する事。来週以降は持ち回りになる事。そして、
「今日は統括会あるからな! それじゃ解散!」
 私への統括会への連絡だけだった。

 っとそう言えば。
「先生! 少しだけ待って下さい」
 終礼を終えて職員室へと戻る先生を階段踊り場付近で捕まえて、今日は私から呼び止めると、
「岡本から俺に声を掛けてくれるなんて珍しいな」
 ものすごく嬉しそうに返事をしてくれる先生。本当にこういう場面一つ切り取っても、会長同様やっぱり意中の人から声を掛けられるだけで嬉しいんだなって。そこには男の人も女の人も、それに年齢も関係ないんだなって改めて思える。
「そりゃ毛嫌いしている訳じゃ無いんですから、用事があれば私からだって呼び留めますって」
 更には私の勝手な想像だけれど、先生の笑顔を見ているとさっき咲夜さんから聞いた相手に期待する気持ちも、やっぱり嘘じゃないんだなって、それだけ優希君は私の友達でもある咲夜さんにも優しくしてくれたんだなって分かる、伝わる。
「これです。先生が私のお母さんに説明してくれた時に、一緒に持って来てくれた物で――」
「――岡本……さん?」
 私が先生に“推薦”で受ける入学願書の用紙の入った茶封筒を手渡した瞬間を会長に見られてしまう。
「ああ。あの時の倉本か。悪いが岡本と将来『っ?!』の話をしてるから今は遠慮してくれ。どうしても岡本に用があるなら統括会の時に頼む」
 けれど、前回の夏休みを覚えていたのか、今回は会長に私を引き渡すのではなく、私と会長の射線上に立ち位置を変えた上で、会長を完全に弾く。
「いや。俺も統括会が始まる前にどうしても岡本さんに用事がありますんで――」
 その先生に向かって、何て温度の高い嫉妬の目線を向けるのか。
「すみません

『っ!』私も後から向かい

から、先に行ってて


 その誰が見ても分かる程の熱量を持った会長となんて、間違っても一緒に歩けない。
「……分かった。岡本の話は職員室で聞くな」
 だから会長に断りを入れたら、今度は先生がものすごく嬉しそうにするけれど、
 ――先生? 私と二人だけの秘密なんですよね――
 先生を応援するためには、こんなところで浮かれてもらっては困るのだからと、ほとんど口パクで先生を窘める。
「――そうだな――統括会には遅れないように時間には気を付けるから、倉本は先に行っててくれ」
 私の意向を汲んでくれたのか、前半部分は私だけに聞こえるくらいのごく小さな声で、後半部分は会長を完全に弾くために声を大きくする先生。
「……分かりました。岡本さん。統括会の時に」
 まさか私の友達だけじゃなくて先生にまで弾かれたのがよっぽどショックだったのか、そのまま一人役員室へと向かって行った会長。


 そして次に先生の方だけれど、
「それじゃ、時間がないので先に記入し終えた公立の“推薦”の願書だけ渡しておきますね」
 こっちはこっちで絶対勘違いしているって分かるから、先に本題を伝えることにする。
「あれ? もう行くのか?」
 だけれどやっぱり先生は先生で、私と二人気になれるとか考えていたのかその表情を驚き一色に染め上げてしまう。
「はいっ! もうすぐで統括会も始まりますから……それから先生。さっきは会長から守ってくれてありがとうございました」
「?! ああ! 俺で良かったらいつでも頼ってくれ! あんな奴には岡本を任せる気はない」
 だから、これ以上は先生の気持ちを考えた上でも二人きりは良くないと思って、さっきの会長のお礼を伝えたら、私の伝え方が良くなかったのか、私に向ける視線の中に恋情と、首元に視線を感じる。
「先生? ここ。一応廊下の真ん中ですけれど、どこ見ているんですか?」
「――っ?! い、いやこれは――」
 本当に、いつもの先生らしく、同じ言い訳を口にしてあたふたと慌てる先生。以前ならこれだけで嫌悪を感を感じていたのに、やっぱり気持ち一つで全く受ける感覚が違う。ただ、この現場を優希君に間違っても見られる訳にはいかないから、
「――先生。改めて私の受験の応援。お願いしますね。私にとってはそれが一番嬉しいプレゼントですからっ」
 だから私の家に先生が説明に上がってくれた日の玄関でした約束、お願いを思い出してもらう。 (160話)
「――っ! ああ。そうだったな。じゃあ大切に預かるから、岡本もしっかりな」
 その甲斐あってか、先生が笑顔で私を送り出してくれたから、あの日。説明に上がってくれた日よりもキレイになった顔で、私も先生に笑顔を返す。

宛先:理沙さん
題名:ごめんなさい
本文:先生に“推薦”用の入学願書を出していたら時間が無くなって、連絡は後に
   なりそうです。ごめんなさい。統括会が終わったらその結果と合わせて、
   必ず連絡するから。

 急ぎ理沙さんにお詫びのメッセージだけを入れて、今日も大荒れとなるのが分かっている役員室へと足を向ける。

―――――――――――――――――次回予告―――――――――――――――――
           主人公が友達三人とお昼をしている間
     彼氏の方は主人公のお願いを聞く形で、後輩二人と話をした結果

        主人公の話と彼氏の予想が裏付けられる形となり、
                一つの線となる

              その中で迎えた統括会の中、
      後輩女子に大雷を落とす主人公と、男二人で話を付ける彼氏

     「――彩風さん。

?」

          次回 187話 入り乱れる感情と恋情
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