(6)

文字数 954文字

「ええええッ? な……なに……これ?」
 しかし……爬虫類人間に変った事に一番驚いているのは、あおいちゃんだった。
 ところが、更に次の瞬間……。
 ♪ちゅど〜ん。
「あ……あ……あ……あ……」
 あたしが、さっきまで居たスーパーの近くに有った一戸建ての家が、突然、大爆発。
 その爆発を見て、何故か、うろたえるあおいちゃん。
「な……なに? なにが起きてんの?」
「ああああ……あたしの家が……」
「へっ?」
「な……なんで……そんな……」
「だから、何が起きてるの? 何で、裸で町中を走ってたの?」
「わかんない、わかんない、わかんない。あたし、馬鹿だからわかんない」
 ドゴンッ‼
 あたし達を助けてくれた怖い顔の恐竜さんがブッ太い(とい)尻尾を振り降し……そのせいで、周囲に轟音が轟き、アスファルトの道路にヒビが入る。
「少しは……落ち着いたね?」
「は……はい……」
 あおいちゃんは……そう返事したけど……。
 スーちゃん、それ「落ち着いた」とは違うと思う。
 ん? 何で、あたし、この恐竜さんの名前を知ってんだ?
「あ……あの……あたし、今日まで、自分が爬虫類人間だって知らなくて……その……」
「そうみたいだね」
「今日になって、いきなり、隣の市の市会議員の息子さんと……あたしが、生まれた時からの許婚だって親に言われて……」
「許婚? 今の日本で、そんなモノ、マンガかアニメの中にしか存在しないと思ってたけど……」
「レプタリアンは普通の人間との間には子供()作れん。だから、レプタリアン同士で結婚する必要が有るとよ。そして、レプタリアンどもは人間社会では、政治家とかに成っとる場合が多かけん……。あんたの親も政治家か何かね?」
「は……はい。ここの市会議員です。……で、あたしの親と……いきなり許婚とか言われた知らない男の子の親に……その……」
「その……何?」
()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とか意味不明な事を言われて……その……」
「ちょっと待って? その……レ○プされかけた上に……レ○プ魔の共犯者が……自分の親?」
「そ……そう言うこ……」
 ところが……。
「危なかッ‼」
 ドラム缶を積んだ軽トラが突っ込んで来たかと思うと……それを恐竜さんが蹴り飛ばす。
 宙を舞った軽トラは……空中で爆発。
 爆音で耳が聞こえなくなり……。
 そして……。
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