【お題】ある春の日

文字数 194文字


※こちらのお題は、猟奇學研究所【呟怖お題】(@kwaidanbattle)さんよりご提供いただきました。

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ある春の日。
気づいたら大きな影にまとわりつかれていた。
影は私の先に広がる陽向を喰み、喰んだ分だけ足元に桜の残滓を撒き散らした。咲くところも散るところも見せず、ただ情緒もなく散らばった桜の死骸を。


私は下を向いて歩くのをやめた。

他人に感じていた眩しさが少しだけ減っていた。
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