【お題】どこまでも
文字数 247文字
※こちらのお題は、お/蒹垂 篤梓(自称、幻想の戯れ騙りべ)【呟怖ORG入ってます】(@AtsushiOgita)さんよりご提供いただきました。
※撮影者:Copyright 2021 @AtsushiOgita
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俺が学生の時分、街で一番高い煙突からは線路が一望できた。
あそこからだけ見えた。
好きだったあの子が乗った汽車を、俺はあそこから見送った。
どこまでも、どこまでも昇ってゆく汽車を。
見上げた空の青さが涙で滲んで手を離しそうになったけど、今からじゃ同じ汽車には乗れないと堪えたよ。