第26話:日韓問題とゴーン氏の逃亡事件

文字数 1,543文字

 7月1日、日本政府は韓国で生産が盛んな半導体製造などに使われる化学製品3品目の輸出を難しくすることにした。その他、韓国を安全保障上問題がない国として輸出手続きを簡略化する優遇措置をやめると発表した。これが韓国向け輸出規制強化の第1弾であった。これは韓国人元徴用工らへの損害賠償判決問題への事実上の対抗措置とみられた。

 8月2日、韓国向け輸出規制をめぐり安倍政権は閣議で、「ホワイト国」グループAのリストから韓国を外す政令改正を決定し、8月28日から実施した。8月23日韓国政府は長嶺安政・駐韓大使を呼び、日本との軍事情報包括保護協定「GSOMIA」を破棄すると正式に通告した。10月1日消費税が8%が10%になった。

 10月22日天皇陛下が即位を宣言。10月31日、沖縄・首里城で火災那覇市の首里城で火災があり、正殿、北殿、南殿・番所などが全焼した。11月22日、日本、韓国が破棄を通告していた日本との軍事情報包括保護協定「GSOMIA」が失効期限前日のこの日に一転、継続となった。12月4日、アフガニスタンで長期間にわたり社会貢献した中村哲医師、アフガニスタン東部ジャララバードで銃撃され死亡した。

 12月31日にはカルロス・ゴーン被告が保釈条件で海外渡航が禁じられていたにもかかわらず、国籍を持つレバノンに逃亡した。東京地検や警視庁の捜査状況を報じている主要メディアによればゴーン被告は11月29日、東京都内の制限住居から徒歩で外出後、品川駅から新幹線に乗って大阪へ移動し、その後はタクシーで関西国際空港へ向かい、そこからプライベートジェットに乗って日本を脱出したと思われた。

 その後、トルコのイスタンブールを経由してレバノンに到着したとみられている。では、何故、ゴーン被告はなぜやすやすと出国できたのか。恐らくはゴーン被告が知り尽くしているであろうプライベートジェットを使った荷物の管理に大きな盲点があったと推測される。通常、航空機に乗って日本を出る際は厳格な手続きを踏まなければならない。航空会社で搭乗手続きをして空港内の保安検査を受ける。

 その後、パスポートと航空券を見せる出国審査を経て搭乗ゲートにたどり着くことになる。保釈中の人間が、これをかいくぐるのは普通に考えて不可能に近い。飛行機に預ける手荷物の中に人間はとても入れない。ところがウォール・ストリート・ジャーナルなどの報道によればゴーン被告はコンサートで使われる音響機器を運ぶ大型の箱の中に隠れてプライベートジェットに乗り込んだと伝えられた。

 この時点で空港での出国審査で発見することは事実上不可能だったが、なぜ荷物の中に人間が入っていることを出発前に発見できなかったのか。プライベートジェットはビジネスジェットとも呼ばれ世界のセレブが利用する。日本語では自家用機と訳される。大きさにもよるが1機当たりの価格は数億円~数十億円にも上ると言われている。

 その出国管理は、に荷物チェックにおいては正直、「ザル」としか言いようがない。私たち一般人が飛行機に乗る場合は運航スケジュールが決まっている定期便を利用する。ハイジャック防止や爆発物などテロを防ぐ観点から、搭乗者や機内に搭載される荷物のすべてにおいて保安検査が行われる。安全の確認が取れた人や荷物のみが飛行機に乗り込むことができるルールになっている。

 それに対してプライベートジェットでは、そもそも搭乗者によるハイジャックや爆破テロの可能性がほぼない。この点から基本的には保安検査の実施有無はプライベートジェットを運航する会社の判断に委ねられている。関係者へ取材をすると保安検査なしでそのままプライベートジェットに乗り込むのが世界的にも当たり前の運用となっている。
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