第22話:郵政民営化、年金問題とパリバショック

文字数 1,522文字

 2005年が明け1月11日、控訴審の東京高裁「青色発光ダイオード訴訟」で日亜化学工業が発明者・中村修二に発明対価約6億円を含む約8億4千万円を支払うことで和解が成立。日本で初めて開発者の業績による会社の増益に対して合理的な対価を払うと言う初めての画期的な判決だった。4月1日ペイオフ全面解禁。普通預金などでも金融機関破綻時の保証が元本1千万円とその利息までになった。

 4月25日JR宝塚線の尼崎~塚口間で上り快速電車が脱線し、1両目と2両目が線路脇の9階建てマンションに激突した。そして、運転士を含む107人が死亡し、約550人が負傷した。7月5日衆院で郵政民営化法案が可決した。しかし、8月8日参院で郵政民営化法案が否決された。そこで、小泉首相が衆議院を解散し、いわゆる郵政解散となった。

 8月17日郵政民営化法案に反対し自民党公認が得られなかった議員らが国民新党を結成。代表・綿貫民輔衆院議員。21日には他の反対派議員を中心に新党日本が結成。代表・田中康夫長野県知事。8月24日茨城県つくば市と秋葉原を結ぶ第三セクター新線「つくばエクスプレス」が開業した。9月11日、第44回総選挙で郵政民営化が争点となり、自民党が296議席を獲得し圧勝した。

 そして、造反議員の非公認、刺客候補の擁立など小泉劇場に関心集まった。10月1日には道路関係4公団が分割・民営化され、新しく高速道路会社6社が発足した。10月14日、郵政民営化法案が参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。11月30日には三位一体の改革が決着し政府・与党が2006年度予算で計6100億円の税源を地方に移譲し同時に補助金を削減で合意した。

 ちなみに「三位一体の改革」とは、「地方にできることは地方に」という理念の下、国の関与を縮小し地方の権限・責任を拡大して地方分権を一層推進することを目指し国庫補助負担金改革、税源移譲、地方交付税の見直しの3つを一体として行う改革のことである。2006年が明け、1月1日東京三菱銀行とUFJ銀行が合併、世界最大の銀行になった。

 5月22日全国19の社会保険事務所で計4万2702人分の国民年金保険料の無断免除・猶予が発覚。9月6日秋篠宮妃が親王を出産した。12日悠仁と命名した。11月22日、大田経済財政相が景気拡大が4年10カ月に及び「いざなぎ景気を超えた」と発表した。11月30日厚労省が2005年の合計特殊出生率を1.26と発表し、過去最低となった。

 2007年が明け、3月14日大丸・松坂屋が経営統合を発表した。3月18日、ライブドアの粉飾決算事件で堀江貴文に実刑判決が下された。4月18日、生保38社の保険金不払いが金融庁調査で平成13~17年の間に44万件、359億円が判明した。2007年6月、当時の5大投資銀行1つベア・スターンズの傘下のヘッジファンドがサブプライム関連の商品で巨額の損失を出した。

 そのため、ベア・スターンズに取り付け騒ぎが起き、7月には当時のFRB議長のバーナンキ氏がサブプライムローン問題関連損失が最大1千億米ドルに達する可能性があると言及した。8月9日には仏大手金融機関・BNPパリバグループが「投資ファンドの解約を凍結する」と発表した。

 アメリカのサブプライム住宅ローン危機による市場混乱を引き金にBNPパリバ傘下であったミューチュアル・ファンドが投資家からの解約を凍結すると発表した。これにより、フランス国内だけでなくヨーロッパ全体、また世界のマーケットが一時的にパニックに陥った。為替相場をはじめ株式その他の金融商品が大きく変動し、世界の市場に金融危機が広がるきっかけとなった。
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