【1-3】15センチの再会 3
文字数 510文字
私たちは、駅前のコーヒーショップに逃げ込んで、お互いの近況報告をした。
学生寮で暮らしている彼は、夏休みに数ヶ月ぶりの帰省をし、私に轢かれそうになったわけで。そのお詫びにお茶でも奢ろうと。
彼はストローを回し、アイスコーヒーの氷をカラカラと鳴らした。
私は買ったばかりの本を袋から出して、テーブルの上に置いた。
少し陰のある表情で彼は言った。
だけどこの時はその理由に気付くことはなかった。
彼は苦笑しながら、理由も聞かずに快諾した。