【1-2】15センチの再会 2
文字数 302文字
彼と最後に言葉を交わしたのは、中三の春。
幼馴染みの彼とは、中二で同じクラスだった。
新学期初日。
校舎前の掲示板前に、黒山の人だかりが出来ていた。
みな、自分がどのクラスになったのか、探している。
同じクラスになって、飛び上がって喜ぶ子たち。
別々のクラスになって、べつにいつでも会えるのに泣いてる子たち。
それが、彼と最後に交わした言葉だった。
進路でコース分けされた私たちは、教室どころか校舎も別々になって、私は私で受験勉強が忙しくて、彼のことを思い出しもしなくなった。