第30話:世界情勢と山沢の赤ちゃん誕生

文字数 2,109文字

 労働移民制限はできないもののEU単一市場からは出ずに自由貿易の恩恵を受けられる形態か、単一市場から離脱し移民制限を徹底する選択肢が検討されている。米共和党のドナルド・トランプ氏が、11月8日投開票の大統領選で、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官を破る番狂わせとなった。

 排外的主張を掲げ、暴言も辞さない実業家のトランプ氏は、既存政治への不満を吸い上げ「トランプ現象」を巻き起こし「大衆迎合主義」の台頭を印象付け、メキシコ国境への壁の建設を柱とする不法移民対策を唱えた。

 その他、在日米軍の駐留経費の全額負担を求める考えも表明。就任初日に実行する政策として、環太平洋連携協定「TPP」からの離脱を挙げた。その後も「一つの中国」政策に縛られる必要はないと述べ、台湾の蔡英文総統と電話会談するなど、型破りな言動を続けており、米国の動向をめぐり不透明感が深まっている。

 シリア内戦は泥沼の様相を呈した。11年3月に始まった内戦は6年目に入り、犠牲者は30万人を超えた。アサド大統領退陣を求める米英仏やアラブ諸国などが反体制派を支えてきた。しかし、ロシアがアサド政権を軍事面で支援。過激派組織「イスラム国『IS』」も入り交じり、混迷を深めている。関係国の仲介で停戦が試みられたが、破綻を繰り返し、戦闘終結は見えない。

 その後、2017年を迎えた。2015年にパリで起きた風刺週刊紙本社銃撃事件以降、欧州ではテロが続発。容疑者の中には難民申請者も含まれていたため、「反難民」「反イスラム」を掲げる右派政党が大政党に対する不満の受け皿となって支持を伸ばした。3月のオランダ下院選では、極右・自由党が議席数を増やした。

 5月の仏大統領選では、極右政党・国民戦線のルペン党首が与党候補らを破って決選投票に進出。9月のドイツ連邦議会下院選では新興右派政党「ドイツのための選択肢が国政進出を果たした。10月のオーストリア国民議会下院選挙、総選挙では、厳しい難民政策を掲げる保守系の国民党が第1党に躍進、第3党の極右野党・自由党と連立交渉を進めている。

 この年の異常気象もひどかった。7月5~6日を中心に台風3号と梅雨前線の影響で「九州北部豪雨」が発生。福岡、大分両県で死者38人、行方不明者3人となった。3号は九州北部を横断し、気象庁は5日に両県に大雨特別警報を発表。大規模な土砂崩れや河川の氾濫が起き、大量の流木で家屋や鉄道の鉄橋などが流された。

 不明者の捜索が長引き農林水産業に大きな被害が生じ政府は激甚災害に指定。自治体の災害復。旧事業への補助率を上げた。台風は5号が8月7~8日に近畿・北陸を縦断。秋、日本列島への上陸が相次ぎ18号が9月17~18日に九州南部と四国、近畿、北陸を縦断。21号が10月23日に東海と関東を縦断。死者は5号で2人、18号で5人、21号で8人に上った。

 7月、日本人を含む外国人人質殺害事件や欧米諸国での大規模テロを引き起こして国際社会を震撼させた過激派組織「イスラム国『IS』」は2017年、米軍主導の有志連合などの支援を受けた地元勢力の作戦によりイラクとシリアの大半で駆逐された。ISの2大活動拠点だったイラク北部モスル、シリア北部ラッカが陥落し崩壊した。

 ISは14年、イラクとシリアで急速に伸長した。指導者バグダディ容疑者はイスラム教の預言者ムハンマドの代理人「カリフ」と称し、一時は両国にまたがる広大な地域を支配する疑似国家を構築。恐怖支配体制を敷いた。異なる宗教・宗派や文化を敵視するISの過激思想は現在も拡散したままで、世界各地で同調する者のテロの脅威が継続中。

 9月に日産自動車で無資格者による完成検査が、発覚。10月には、神戸製鋼所が、アルミ、鉄製品のデータ改ざんが、公表された。11月には、三菱マテリアルのグループ会社で、検査データの書き換えが、発覚した。これらの事件により、長年かかって作り上げた、優秀な日本製品と言うイメージを壊す事件が、頻発した。

 2017年12月初旬、結婚した山沢夫妻の奥さんの妊娠が判明し、2018年6月6日が予定日だと知らされた。これには、山手の池松さんの実家や山沢の面倒を見た金沢さんと彼が育った孤児院でも、大喜びしてくれた。そして、そのお返しに、山沢が、大きなケーキを孤児院に、送り孤児達に送ると、みんなに喜ばれた様だ。そうして2018年を迎えた。

 2018年は、松尾と沢村さんと山沢夫妻に金沢さんの5人で、伊勢山皇大神宮に、初詣に出かけ、山沢さんの安産祈願をしてきた。その後、中華街で、祝賀会を催して、美味しい料理をたくさん食べた。その後、6月4日、山沢さんは、パシフィコ横浜の近くのけいゆう病院に入院し、6月6日に3キロを超す、元気な男の子を出産し、元気に育てと、山沢元気と名付けた。

 この年は、長年、優秀な日本製品のイメージを壊す事件が相次いだ。9月に日産自動車で無資格者による完成検査が、発覚、10月には、神戸製鋼所が、アルミ、鉄製品のデータ改ざんが、公表された。11月には、三菱マテリアルのグループ会社で検査データの書き換えが発覚した。
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