2006年9月9日

文字数 334文字

2006年9月9日
 部屋の掃除をして、エントロピーを実感する。

 雨が多いという予報のため、荻窪西友で食料品の買い溜めをする。右腕が痛い。ブラックタイガーが一尾19円と安く、24尾買う。

 午後、マーケット・ストリートを歩きながら、有名店でもへたなごまかしをやっているのに腹をたてた。二十年前にはドヤ街のいかがわしい商人だけがやっていた古くさいトリックだ。今ではすべての店がやっている。腹ただしいのは、このトリックがきくのである。一ドル九十九セントの定価がついていると、一ドルとちょっとだと思ってしまう。私にはものごとを警戒の目で見る習慣はないが、このようなごまかしの蔓延は、腐敗の広がりのように思われる。
(『波止場日記』)

 さすが心理的倒錯に鋭敏な作家だけのことはある。

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