2006年9月27日

文字数 920文字

2006年9月27日
 朝は晴れていたものの、予報通り、雷雨となったが、午後からは雨がやむ。

 Asahi.comや東京新聞のサイトで、合衆国政府が、26日、イラク戦争とテロの関係について分析した「国家情報評価(National Intelligence Estimate: NIE)」の結論部分の機密指定を解除した記事を読む。イラク戦争が「イスラム世界への米国の干渉に対する深い恨みを生み、地球規模のイスラム過激派運動への支持を拡大させた」と分析した上で、今後5年間は、イスラム過激派が拡大を続けるだろうと予測している。この「地球規模のテロの傾向─米国にとっての影響」は、CIAなど米政府の16機関の総意として、国家情報評議会(National Intelligence Council: NIC)が今年の4月にまとめていたものの、極秘扱いとされていたが、ニューヨーク・タイムズ紙が24日にすっぱ抜き、ブッシュ政権が失策をごまかしているのではないかと疑惑が持たれている。同報告書は「米国の対テロ努力がアルカイダの指導部を大きく傷つけ、作戦を妨害してきた」と評価しつつも、イスラム過激派全体は拡張していると指摘している。 特に、「イラクにおける『聖戦』が、新しい世代のテロ組織指導者や作戦員を生んでいる」と強調し、イスラム過激派がイラクで勝利を収めたと感じるようになれば、「より多くの戦闘員が活気づき、ほかの場所でのテロ闘争を継続するだろう」と警告している。「運動は全て、それらに家族的類似を与える一定の本質的な特徴を共有していると主張するのである」(『大衆運動』)。

 日本語の「情報」は二つの英単語の訳語として使われている。元々、「情報」はフランス陸軍の用語の訳語に由来している。「情報」には、”information”と”intelligence”の二つの訳語を兼ねている。前者に相当する情報収集能力は二次的なものにすぎない。ブッシュ政権の失策を省みることなく、どうも日本政府は前者しか考えていない。むしろ、後者の能力がより重要である。本をいくら買っても、それを読まなければ、積読にしかならない。批評に基づく分析力を先に強化するべきだろう。
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