2006年9月13日

文字数 471文字

2006年9月13日
 雨が続く。ただ、湿気のおかげで、眼が楽だ。眼のことを考えない日は一日たりともない。両方の視神経ともに半分以上もすでに萎縮し、いつも失明の恐怖に怯えている。ものの見え具合で、視力を失いながらも、充実して生きている人もいるというのに、愚かにも、一喜一憂している。それを忘れているとき以外は、緑内障との勝ち目のない戦いを続けている。戦いは心理の中で始まり、心理の中で終わるものだ。フリードリヒ・ニーチェの気持ちがよくわかる。

 汗をかくために、夕食にはエスニック料理をつくる。ビーフンとエビの炒め物、ささみとナンプラーのサラダ、キムチと春雨のスープを食卓に並べる。

 ホッファーは、他人を指導する気がない以上、自身を知識人ではないと訴える。その彼は知識人を批判しながら、『波止場日記』において、「独善」と「他人蔑視」に陥らないように自らを戒めている。知識人排撃は、ポル・ポト派の暴虐がおぞましくも告げているように、テロや大量虐殺に繋がることもしばしばである。「独善」と「他人蔑視」を慎み、禁欲的に振舞うのをいつも思い起こすことだ。
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