第20話 東京不倫

文字数 654文字

 しんじろうが成ったのは官庁大臣というものだった。表向きは縦割りといわれ続けた行政間の調整をする部署だ。しかし、本当は閻魔庁との連携を取るために造られた。
 「閻魔との連絡係が必要だ。」
 そのために、秘書として妖怪を雇うことになってる。
 はじめは、砂かけだった。親切だが定年で辞めた。その後は雪女に代わったが対応が冷たかった。6期目ということで入れ替えようということになった。雪ん子ではまだ子供だ。そこで最近すっかり大人びたという猫娘に決まった。
 また、放射能につよい地獄に、原発ゴミのデブリを使った『溶解ポスト』を設置。

 勢力的に行動するしんじろうだったが、成果が見えない。そんななかで各省庁との連携について、
 「最大の課題は閻魔庁です。」
 といってしまった。
 「閻魔庁っていいましたか?」
 あわてたしんじろうは、
 「エンガチョです。エンガチョ。」
 といってごまかした。

 そんなしんじろうに不倫疑惑がわいて出た。
 「こりずにスグステルさん。しんじろうさんの東京での不倫についてはご存知でしたか?」
 マスコミが詰め掛ける。
 「地方に行ってならともかく、都内でそんな度胸があるわけないでしょう。」
 足早にマスコミから離れようとする。
 「札幌に愛人を連れて行ったという噂もあるんですよ。相手の方はキョウホという名前だとか、42.195キロの痩せ型美人だとかいう話ですけど。」
 記者はなおも食い下がる。
 「札幌の不倫を承知してたら、こういってました。ろ・く・で・な・し。」
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