第6話 守護と術後

文字数 672文字

 守護霊の仕事には担当を災いから守るほかに、他人への呪いを成就させる仕事がある。なぜ、そんな悪徳もあるのかといえば、呪いに失敗した際には、その災いが自身に跳ね返ってくるからである。良くも悪くも災いから守るのが守護霊の本業だ。

 功のやつは、今日も悪事に精を出してる。が、ほとんど失敗。おかげで、ポイントは減る一方。
 「マイナスが続くようだと、担当替えしますからね。」
 本部からも念押しをされた。

 最近の功は、カルト集団によく出入りしている。
 「人を呪わば、アナコンダ。なでるより舐めろ。壁にミリタリ、生死(しょうじ)にメアリ。」
 本部からの連絡が入った。
 「悪魔が近づいてます。警戒態勢をとってください。」
 十二人の屈強な連中がやってきた。
 「われら、十二神将の化身、ダース・兵だ。これより対悪魔の術を施す。」
 彼らは円陣を組むと、むきむきの筋肉をみせびらかすように。思い思いにポーズをとり始めた。
 「ボディービルですか?」
 「いや、こうやって魔を追い払う。これが、ポーズの力。」

 やがて、黒いマスクをつけた人影が周囲に集まりだした。
 「来たぞ。やつら、暗黒面に取り込まれるでないぞ。」
 やつらの放つ強烈な臭い邪気に、涙目になりながらもポーズを保つ。すきの無い彼らに、暗黒面は立ち去っていった。
 「これで、大丈夫。なるべく早く、この場を去るように仕向けたまえ。」
 そういって、一ダースの兵たちは去っていった。
 これで、功の運気も上がったはず。そこで彼に便意をもよおさせた。功はあわてて家に帰っていった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み