第12話 100年安心
文字数 692文字
ある日、怪しげなフードをかぶった男がやってきた。どこの死神だろう。
「お仕事ご苦労様です。担当者のポイント増えてますか?」
ちょうど退屈していたところだ。せっかくだから、ちょっとからかってやろう。
「いやあ、担当がダメだとポイントも貯まらない。せっかくのチャンスを潰してくれるし。」
俺は、不満をそいつにぶつけた。
「でしょ。儲かる仕事は一部のエリートにしか回らないんですよ。大体は、失敗してポイント減らすようにできている。そこで、ポイント年金をはじめました。閻魔庁公認です。寿命が延びたお陰で、わがままになったりボケたりと、老後はポイントが減る機会が多い。そこで若い時にポイントを払ってもらい、老後に年金として受け取るというものです。」
なんだか、どっかで聴いたような話だな。
「せっかく貯まったポイントも持ってるだけじゃ増えません。死んだらもうポイントは増えないんですよ。積み立てじゃなく、後の世代からポイントをもらうので長生きするほどポイントが増えます。」
そんなうまい話があるか?俺は突っ込みどころを探っていた。たしかに得する人もいるだろうが、損はしないのか?
「その点は、みなさん死亡保険に入ってらっしゃいます。連動してますから、若くして死んでも不足しません。ですから、百年安心のシステムです。」
いやいや、集めたポイントを再分配しているだけだから増えるのは稀なんじゃないか?そうだ、これはネズミ講ってやつだ。実際は最後のやつ等が大損する話。
「こいつはネズミ(おっと)講だな。」
「ちっ、ばれちまったか。」
フード男はそういい残して消えた。
「お仕事ご苦労様です。担当者のポイント増えてますか?」
ちょうど退屈していたところだ。せっかくだから、ちょっとからかってやろう。
「いやあ、担当がダメだとポイントも貯まらない。せっかくのチャンスを潰してくれるし。」
俺は、不満をそいつにぶつけた。
「でしょ。儲かる仕事は一部のエリートにしか回らないんですよ。大体は、失敗してポイント減らすようにできている。そこで、ポイント年金をはじめました。閻魔庁公認です。寿命が延びたお陰で、わがままになったりボケたりと、老後はポイントが減る機会が多い。そこで若い時にポイントを払ってもらい、老後に年金として受け取るというものです。」
なんだか、どっかで聴いたような話だな。
「せっかく貯まったポイントも持ってるだけじゃ増えません。死んだらもうポイントは増えないんですよ。積み立てじゃなく、後の世代からポイントをもらうので長生きするほどポイントが増えます。」
そんなうまい話があるか?俺は突っ込みどころを探っていた。たしかに得する人もいるだろうが、損はしないのか?
「その点は、みなさん死亡保険に入ってらっしゃいます。連動してますから、若くして死んでも不足しません。ですから、百年安心のシステムです。」
いやいや、集めたポイントを再分配しているだけだから増えるのは稀なんじゃないか?そうだ、これはネズミ講ってやつだ。実際は最後のやつ等が大損する話。
「こいつはネズミ(おっと)講だな。」
「ちっ、ばれちまったか。」
フード男はそういい残して消えた。