第3話 引継ぎ

文字数 686文字

 とりあえず、引継ぎのために今の守護霊にあう。
 「やっと、後任が決まったんだ。こっちは掛け持ちで手一杯だよ。仕事はこのカードにポイントを記録する。履歴をみれば目安になる。判断に困ったら、本部に聞けばアドバイスしてもらえるから。500ポイントごとにサービス券が出て、10枚貯めると温泉旅行とか特典があるから。だからといって、新人は介入しちゃだめだよ。俺ぐらいになればサービス券を使って誘導もできるようになるけど、慣れないヤツがやるとどんどん悪い方向にいくからね。後は実際にやって覚えろ。以上、引き継ぎ終わり。じゃあな。」
 前任のやつ、さっさとしゃべってとっとと消えやがった。

 「ゴミ拾い、+1ポイント。立ちション-1ポイント。」
 こんなことまでつけるんだ。そうこうしているうちにもポイントが自動で変わっていく。どうやら、履歴にある行動は自動でポイントがつくらしい。たまに数字の途中に?が出る。どうやら履歴にない行動で、ポイントを決めろという指示らしい。野良猫へのえさやり。本部に聞くと、昔は加点だったが今は減点だという。とりあえず、-1にしておくか。大体のポイントは決まっているが状況などで修正点をつけるだけのようだ。

 「そんなに真面目に考えなくてもいいですよ。」
 ちょくちょく質問を繰り返すうちに、本部からこんな返事が来た。
 「あんまり深く考えるとむしろ偏ってしまいます。それよりは均して考えてください。偏よりがひどいと左遷されることもありますからね。」
 なんだか、気楽な仕事だなあ。もう少し、責任のある仕事がいいのに。まあ、新人だからしかたないか。
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