16。
文字数 3,707文字
ピコン
メール音に反射的に手が動く。机に置いてあるスマホを見る。
光麗 【病院にて、裕太名乗る不審者あり。】
「…はぁ?」
思わず作業の手が止まる。
「なんだ壽生 。急用か?」
所属大学生が自由に使用していいフリーホールで、先輩と次回新入生へのプレゼンを作成中だった壽生。メールの内容に動きも言葉も思考も止まった。
「……あー……、すいません、俺、抜けます」
「了解。お疲れー。また連絡する」
「すいません」
近くに置いてあったリュックを取ると、その場を後にする。
今日は確か…二美子さんが退院する日で、明日お祝いしに行こうって話になってたんだけど……。
階段を駆け下りて大学1号館を出る。外は陽が傾きかけていた。スマホが握られている右手は履歴から尚惟を探り当てて、リダイヤルする。
「ああ、尚惟 。見たか、メール」
コール音が鳴る前に相手が出る。
「今どこ?」
『今、大学』
「え」
足が止まって、周囲を見回す。
「俺も。どの辺?」
『共通学部棟だけど』
「行く行く。そこにいて」
俺は方向を変えて、尚惟がいる共通学部棟へ向かう。すぐに尚惟の姿が見えた。
「尚惟!」
「壽生!」
これが美しい友情の物語なら、このシーンは少し余剰をもって繰り広げられるのだが。お互い駆け寄ると、一緒に門へ向けて走り出す。なんだか気持ちばかりが焦る。ふたりともそれが行動に出ている。無言で、ただ走っていた。
「……二美子さんが……、電話に…出ないんだ」
苦しげな尚惟の言葉。
俺の耳にフワッと日常音が響く。
他の人たちのすれ違いざまの会話、自転車の音、木が揺れる音、足元から伝わってくる靴音……。
不意に、尚惟の腕をつかんで、足を止める。
尚惟の言葉に含まれている不安、辛さ……?息づかいの苦しさは、走っているからって訳ではないよな……。
「……尚惟」
荒く息を吐きながら、肩で息をしながら、沈黙。伝わってくる緊張した雰囲気。なぜなら
……震えてんのか……?
掴んだ手から伝わってくる振動は、尚惟のものだ。
「おい……落ち着けって」
「…………壽生、震えが止まらない…。ずっと声が遠いんだ……」
絞り出した声に、今まで聞いたことない親友の心痛を聞き取った。
俺のスイッチが入る。
尚惟は、俺たちの中で、一番状況に左右されないって思っていた。勝手に、どんと構えてるやつだって…思っていたんだ。息を深く吸う。
「尚惟、光麗先輩を信じろ。あの人はあんなだけど、絶対二美子さんを守るって」
「ああ……わかってる…」
尚惟が、こんなにうろたえているのは、たぶん、今、二美子さんの体調が良くないって分かってるからだろうな……。
「ショウ、大丈夫。空元気でも、大丈夫って、今は思っとけよ。足りないなら、俺の気持ちもやる。輝礼 のも持ってけ。しっかりしろ。嘘でも無敵だと思っとけよ。二美子さんに会ったとき、尚惟が不安がってたら、二美子さんが頑張っちゃうじゃないか。お前には俺たちがいるだろ!後でいくらでも弱音を聞いてやる」
俺にとって、尚惟がいて、輝礼がいて、二美子さんがいて…。そういう景色が当たり前なんだ。いつだって俺はこいつらのために動ける。俺にとっては、唯一無二な存在だから。
「後で一緒に泣いてやる」
「……泣くかよっ……」
尚惟の顔がしっかりと上がる。俺の目を見る。
二美子さん、こいつに話してやってくれ。そんな顔するなって、笑ってやってくれ。
頼む、無事でいて……!
一方、連絡を受けた輝礼 はいち早く現場に到着していた。
明日の退院に備えて、日程を変えてもらったバイトを終え、帰路に着いていた。鳴ったスマホに反応して、何を思わず無防備に見た。
光麗 【病院にて、裕太名乗る不審者あり。】
何のことだかさっぱり分からない。
そして、俺の頭の中は真っ白になった。
自転車に飛び乗り病院へ向かう。ここからほんの数分で着く距離だ。
遠くで鳴っていたサイレンは、このためだったのか?この時間に、病院で不審者ってどういう状況だよ。
身体中の血が我先にと駆け巡る。驚くほど聴覚が周囲と隔離されていると感じる。
自転車をこぐ音も、周辺の雑踏音も、輝礼には聞こえない。彼の耳には自身の呼吸音と心臓音しか届いていなかった。
陽が傾き、周辺の色味は夕方の哀愁を見せ始めた。二美子さんのいる病院へ近づいたとき、パトカーの回転灯がそこかしこにあった。
「おいおい……」
自転車を置いて、二美さんの携帯にコールするが、出ない。
すぐに光麗先輩へコール。
通話中の機械音が鳴る。
「どこにいるんだよ……!」
通話終了をしたとき、近くの花壇がガサッと音を立てた。
「おん?」
目をやると、花壇から黒服の男が現れた。友だちとかくれんぼをしているわけではなければ、そんなところからの出現は不自然である。
周囲を見渡したそいつは、俺に気が付きぎょっとする。
「やばっ……!」
ん……?
「見つけたぞ!待てっ!」
駐車場のある方角から、人の声と足音がした。
何か分からないけど…普通に考えたら、目の前のこいつが関係してるんだろう。
そいつは、待てと言われて待つわけもなく、俺がいる方向とは反対へ体の向きを変える。
「おいっ!」
思わず声をかけてしまう。一瞬ビクッとしたが、男は走り去った。
その後を数人の警察官が追う。
「おっとー、輝礼」
振り返ると裕太さんがいた。
「二美さんは?!」
「おう…大丈夫、保護してる。その先の駐車場に光麗といるから、行ってやってくれ」
「裕太さんは?」
「俺は……仕事がある…」
裕太、逃げた男の後を追っていった。
「仕事……?何言ってんだ……?」
フェスのときにあれだけ好き勝手を仕事に乗っけた人が、この非常時に何とちくるってるんだ?
俺は不快に感じながら、裕太が来た跡を辿るように駐車場に向かった。
この時、俺は少し冷静さを取り戻していたのかもしれない。なぜなら、さっきの逃げた男の声をどこかで聞いたことのあるような…もやっとした思いにかられたのだ。
移動している最中に頭の中が晴れかかる。
あの声……どっかで…
前方に回転灯が見え、日暮れで暗くなりかかった駐車場を別の意味で照らしている。
「光麗さんっ!」
頭に包帯を巻いた光麗を見つける。
「ちょっ……大丈夫ですかっ?」
「ああ、俺はな…」
ハッとして、思わず声がでかくなる。
「二美子さんはっ…?!」
肩をぐっとつかまれて、ガツッと横並びに肩を組まれる。
「落ち着けって。いま、救急車に乗って待機中。尚惟は?」
「まだ着いてない?」
「ああ、まだ…。俺も今からひっ捕まえたやつの聴取取らなきゃいけない…。お前に任せていい?」
「……病院に戻るのか?」
「一時的にな」
一時的……?
「こんなことがあったから、さすがに警察病院へ転院する。けど、二美ちゃんの状態を見てからだ。尚惟と壽生には急いで来てもらえ。今からお前が側にてくれ。尊先輩もまだ連絡つかないし、裕太先輩はおそらく来れない」
「……なんでこんなことに?」
「それだよな~。……たぶん、逆恨みだ」
「逆恨み……?」
「先輩への逆恨み。これから詳しく聞くがな……」
「なんだよ……それ……」
俺の中で、怒りの芽が息吹いた。それに気づいたのか、光麗の声のトーンは少し緩やかになる。
「もう狙われないとは思う。だけど、病院へ侵入して、催眠スプレー噴霧したであろうやつらだから。ひとり逃走してるしな、100%安全だってなるまで気をぬくな」
逃走した? あ……、あいつか……?
さっき逃げていった男が頭に過る。
「僕は行かなきゃ……」
「分かった。二美子さんの側は俺たちに任せろ」
「……ああ、任せた。知らせてくるから、ちょっと待ってろ」
「ああ……」
光麗がその場にいた警官に事情を話しに行く。俺はその間に、ふたりに電話をしようとする、が、手が止まる。
ふたりに……
指が躊躇する。
こういう場合、尚惟が先だよな……。でも、あいつ……きっと混乱してるよな……。何て言うんだ?まだ二美子さんに会って確認もしていない。
「輝礼!」
「あ、はい!」
光麗に呼ばれて、救急車へ駆け寄る。
「一旦、救急外来の入り口までこのまま移動する。二美ちゃん、今ちょいまずいから……」
「え……」
体が自然に救急車の中の様子を確認しに行く。飛び込んできた景色は、酸素マスクをして横たわる二美子だった。
「……おい」
「そのあとは医者の指示を聞いて……」
「おいっ!」
輝礼、光麗の胸ぐらをつかむ。
「何だよ!これ!」
「輝礼……」
「なんだよっ!大丈夫じゃねえじゃんか!」
「安心できる場所じゃなくなったんだ!」
「ああ?!」
「彼女にとって、ここはっ……!たぶん発作が起きたんだ……!」
「……っ、何だよっ、それ!」
つかんでいた胸ぐらを突き放し、二美子さんの横へ座る輝礼。
「…っ頼んだ……」
「……うるせぇっ」
光麗、救急車の後ろの扉を閉める。外からガンガンと扉を叩かれ、それを合図に車が移動する。
車内はふたりの隊員の、患者への処置についての対話で何だかよく分からない用語が飛び交っている。
だらりとベッドにのっかる彼女の手を取って、握る。力なく、握られるままのそれは小さくて、弱々しかった。
メール音に反射的に手が動く。机に置いてあるスマホを見る。
「…はぁ?」
思わず作業の手が止まる。
「なんだ
所属大学生が自由に使用していいフリーホールで、先輩と次回新入生へのプレゼンを作成中だった壽生。メールの内容に動きも言葉も思考も止まった。
「……あー……、すいません、俺、抜けます」
「了解。お疲れー。また連絡する」
「すいません」
近くに置いてあったリュックを取ると、その場を後にする。
今日は確か…二美子さんが退院する日で、明日お祝いしに行こうって話になってたんだけど……。
階段を駆け下りて大学1号館を出る。外は陽が傾きかけていた。スマホが握られている右手は履歴から尚惟を探り当てて、リダイヤルする。
「ああ、
コール音が鳴る前に相手が出る。
「今どこ?」
『今、大学』
「え」
足が止まって、周囲を見回す。
「俺も。どの辺?」
『共通学部棟だけど』
「行く行く。そこにいて」
俺は方向を変えて、尚惟がいる共通学部棟へ向かう。すぐに尚惟の姿が見えた。
「尚惟!」
「壽生!」
これが美しい友情の物語なら、このシーンは少し余剰をもって繰り広げられるのだが。お互い駆け寄ると、一緒に門へ向けて走り出す。なんだか気持ちばかりが焦る。ふたりともそれが行動に出ている。無言で、ただ走っていた。
「……二美子さんが……、電話に…出ないんだ」
苦しげな尚惟の言葉。
俺の耳にフワッと日常音が響く。
他の人たちのすれ違いざまの会話、自転車の音、木が揺れる音、足元から伝わってくる靴音……。
不意に、尚惟の腕をつかんで、足を止める。
尚惟の言葉に含まれている不安、辛さ……?息づかいの苦しさは、走っているからって訳ではないよな……。
「……尚惟」
荒く息を吐きながら、肩で息をしながら、沈黙。伝わってくる緊張した雰囲気。なぜなら
……震えてんのか……?
掴んだ手から伝わってくる振動は、尚惟のものだ。
「おい……落ち着けって」
「…………壽生、震えが止まらない…。ずっと声が遠いんだ……」
絞り出した声に、今まで聞いたことない親友の心痛を聞き取った。
俺のスイッチが入る。
尚惟は、俺たちの中で、一番状況に左右されないって思っていた。勝手に、どんと構えてるやつだって…思っていたんだ。息を深く吸う。
「尚惟、光麗先輩を信じろ。あの人はあんなだけど、絶対二美子さんを守るって」
「ああ……わかってる…」
尚惟が、こんなにうろたえているのは、たぶん、今、二美子さんの体調が良くないって分かってるからだろうな……。
「ショウ、大丈夫。空元気でも、大丈夫って、今は思っとけよ。足りないなら、俺の気持ちもやる。
俺にとって、尚惟がいて、輝礼がいて、二美子さんがいて…。そういう景色が当たり前なんだ。いつだって俺はこいつらのために動ける。俺にとっては、唯一無二な存在だから。
「後で一緒に泣いてやる」
「……泣くかよっ……」
尚惟の顔がしっかりと上がる。俺の目を見る。
二美子さん、こいつに話してやってくれ。そんな顔するなって、笑ってやってくれ。
頼む、無事でいて……!
一方、連絡を受けた
明日の退院に備えて、日程を変えてもらったバイトを終え、帰路に着いていた。鳴ったスマホに反応して、何を思わず無防備に見た。
何のことだかさっぱり分からない。
そして、俺の頭の中は真っ白になった。
自転車に飛び乗り病院へ向かう。ここからほんの数分で着く距離だ。
遠くで鳴っていたサイレンは、このためだったのか?この時間に、病院で不審者ってどういう状況だよ。
身体中の血が我先にと駆け巡る。驚くほど聴覚が周囲と隔離されていると感じる。
自転車をこぐ音も、周辺の雑踏音も、輝礼には聞こえない。彼の耳には自身の呼吸音と心臓音しか届いていなかった。
陽が傾き、周辺の色味は夕方の哀愁を見せ始めた。二美子さんのいる病院へ近づいたとき、パトカーの回転灯がそこかしこにあった。
「おいおい……」
自転車を置いて、二美さんの携帯にコールするが、出ない。
すぐに光麗先輩へコール。
通話中の機械音が鳴る。
「どこにいるんだよ……!」
通話終了をしたとき、近くの花壇がガサッと音を立てた。
「おん?」
目をやると、花壇から黒服の男が現れた。友だちとかくれんぼをしているわけではなければ、そんなところからの出現は不自然である。
周囲を見渡したそいつは、俺に気が付きぎょっとする。
「やばっ……!」
ん……?
「見つけたぞ!待てっ!」
駐車場のある方角から、人の声と足音がした。
何か分からないけど…普通に考えたら、目の前のこいつが関係してるんだろう。
そいつは、待てと言われて待つわけもなく、俺がいる方向とは反対へ体の向きを変える。
「おいっ!」
思わず声をかけてしまう。一瞬ビクッとしたが、男は走り去った。
その後を数人の警察官が追う。
「おっとー、輝礼」
振り返ると裕太さんがいた。
「二美さんは?!」
「おう…大丈夫、保護してる。その先の駐車場に光麗といるから、行ってやってくれ」
「裕太さんは?」
「俺は……仕事がある…」
裕太、逃げた男の後を追っていった。
「仕事……?何言ってんだ……?」
フェスのときにあれだけ好き勝手を仕事に乗っけた人が、この非常時に何とちくるってるんだ?
俺は不快に感じながら、裕太が来た跡を辿るように駐車場に向かった。
この時、俺は少し冷静さを取り戻していたのかもしれない。なぜなら、さっきの逃げた男の声をどこかで聞いたことのあるような…もやっとした思いにかられたのだ。
移動している最中に頭の中が晴れかかる。
あの声……どっかで…
前方に回転灯が見え、日暮れで暗くなりかかった駐車場を別の意味で照らしている。
「光麗さんっ!」
頭に包帯を巻いた光麗を見つける。
「ちょっ……大丈夫ですかっ?」
「ああ、俺はな…」
ハッとして、思わず声がでかくなる。
「二美子さんはっ…?!」
肩をぐっとつかまれて、ガツッと横並びに肩を組まれる。
「落ち着けって。いま、救急車に乗って待機中。尚惟は?」
「まだ着いてない?」
「ああ、まだ…。俺も今からひっ捕まえたやつの聴取取らなきゃいけない…。お前に任せていい?」
「……病院に戻るのか?」
「一時的にな」
一時的……?
「こんなことがあったから、さすがに警察病院へ転院する。けど、二美ちゃんの状態を見てからだ。尚惟と壽生には急いで来てもらえ。今からお前が側にてくれ。尊先輩もまだ連絡つかないし、裕太先輩はおそらく来れない」
「……なんでこんなことに?」
「それだよな~。……たぶん、逆恨みだ」
「逆恨み……?」
「先輩への逆恨み。これから詳しく聞くがな……」
「なんだよ……それ……」
俺の中で、怒りの芽が息吹いた。それに気づいたのか、光麗の声のトーンは少し緩やかになる。
「もう狙われないとは思う。だけど、病院へ侵入して、催眠スプレー噴霧したであろうやつらだから。ひとり逃走してるしな、100%安全だってなるまで気をぬくな」
逃走した? あ……、あいつか……?
さっき逃げていった男が頭に過る。
「僕は行かなきゃ……」
「分かった。二美子さんの側は俺たちに任せろ」
「……ああ、任せた。知らせてくるから、ちょっと待ってろ」
「ああ……」
光麗がその場にいた警官に事情を話しに行く。俺はその間に、ふたりに電話をしようとする、が、手が止まる。
ふたりに……
指が躊躇する。
こういう場合、尚惟が先だよな……。でも、あいつ……きっと混乱してるよな……。何て言うんだ?まだ二美子さんに会って確認もしていない。
「輝礼!」
「あ、はい!」
光麗に呼ばれて、救急車へ駆け寄る。
「一旦、救急外来の入り口までこのまま移動する。二美ちゃん、今ちょいまずいから……」
「え……」
体が自然に救急車の中の様子を確認しに行く。飛び込んできた景色は、酸素マスクをして横たわる二美子だった。
「……おい」
「そのあとは医者の指示を聞いて……」
「おいっ!」
輝礼、光麗の胸ぐらをつかむ。
「何だよ!これ!」
「輝礼……」
「なんだよっ!大丈夫じゃねえじゃんか!」
「安心できる場所じゃなくなったんだ!」
「ああ?!」
「彼女にとって、ここはっ……!たぶん発作が起きたんだ……!」
「……っ、何だよっ、それ!」
つかんでいた胸ぐらを突き放し、二美子さんの横へ座る輝礼。
「…っ頼んだ……」
「……うるせぇっ」
光麗、救急車の後ろの扉を閉める。外からガンガンと扉を叩かれ、それを合図に車が移動する。
車内はふたりの隊員の、患者への処置についての対話で何だかよく分からない用語が飛び交っている。
だらりとベッドにのっかる彼女の手を取って、握る。力なく、握られるままのそれは小さくて、弱々しかった。
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