主要参考文献

文字数 997文字

○三陸の民俗など
 ・白赤襷小○の旗風 幕末・南部藩大一揆  後藤 竜二
 ・風土記日本5 東北・北陸編
 ・忘れられた日本人  宮本 常一
 ・本草綱目  李 時珍
 ・盛岡藩の戊辰戦争 われわれの先祖はいかに戦ったか  和井内 和夫
 ・三陸海岸大津波  吉村 昭
 ・間宮林蔵  吉村 昭
 
○橋野鉄鉱山
 ・近代鉄産業の成立:釜石製鉄所前史  森 嘉兵衛・板橋 源
 ・鉄都釜石橋野鉄鉱山 世界遺産登録記念誌
 ・釜石鉄山調査報告  農商務省鉱山局
 ・明治工業史  日本工学会 編
 ・近代産業の父 大島高任の生涯  堀内 正名
 ・江戸の思想史 人物・方法・連環  田尻 祐一
 ・砦に拠る  松下 竜一
 ・南部密銭史  菅原 秀幸
 ・炭焼きについてはこちらのサイトを参照しました。
  http://www.eagle.ne.jp/~itagatani/sumiyaki.html
 ・赤い人  吉村 昭

○遠野・早池峰
 ・遠野物語と北の文化  遠野物語研究所
 ・馬とくらし  遠野市立博物館
 ・遠野郷獅子踊り 早池峰踊り  遠野市附馬牛町獅子踊り保存会

○盛岡
 ・雑書の世界 盛岡藩家老席日記を読む  細井 計
 ・二戸市史  二戸市史編さん委員会 編
 
○浄法寺・漆
 ・南部うるし  田中 庄一
 ・寂聴 天台寺好日  瀬戸内 寂聴
 ・漆芸のみかた  小林 真理 編著
 ・うるしの話  松田 権六
 ・赤い雪  甲斐 さやか
 ・自然と文化72 蝋燭  日本ナショナルトラスト 編
 ・須弥山儀についてはこちらのサイトを参照しました。
  https://www.ryukoku.ac.jp/about/pr/publications/63/05_treasure/index.htm
 ・久月のひな人形2019(カタログ)
 ・気仙風土記  金野 静一
 ・高熱隧道  吉村 昭

○鹿角・辰砂・マタギ
 ・朱の考古学  市毛 勲
 ・邂逅の森  熊谷 達也
 ・黄色い牙  志茂田 景樹
 ・新編 日本の民話2 岩手県  未来社
 ・川上村昔ばなし  奈良県吉野郡川上村広報「かわかみ」編集委員会
 
○その他
 ・〈女子マネ〉のエスノグラフィー
  大学運動部における男同士の絆と性差別  関 めぐみ
 ・京まんだら(上)(下)  瀬戸内 寂聴
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登場人物紹介

朱夏(シュカ)

主人公。1853(嘉永6)年8月生まれ

月顕寺(ガッケンジ)の和尚である嶺得に読み書きを習い、

嘉永の大一揆を率いて死んだ父親が遺した書物を読み耽って知識を蓄えた。

商家の旦那に囲われながら自分を育てた母親に対しては、同じ女として複雑な思いを抱く。

幼馴染みの春一を喪ったことで先行きの見えなくなった三陸の日々を精算し、鉄山へと旅立つ。

やがて紆余曲折を経てたどり着いた浄法寺の地で、漆の生育に関わりながら、

仏の世話をし、檀家たちに学問を授け、四季の移ろいを写し取ることに意義を見いだしていく。

塩昆布が好き。

春一(ハルイチ)

1852(嘉永5)年生まれ

すらりとしたかっこいい漁師の息子。

朱夏とは“いい仲”だったが、戊辰戦争で久保田攻めに加わり、鹿角で行方不明となる。

盛岡で再開した彼は「白檀(ビャクダン)」と名乗り、鹿角での過酷な戦闘で記憶を失っていた。

浄法寺に林業役として赴任し、天台寺に朱夏を訪ねるようになる。

透(トオル)

1853(嘉永6)年6月生まれ

遠野から鉄山へ来た色素の薄い青年。遠野では馬を育てていた。

朱夏と反目しながらも一目を置き合い、やがてあるきっかけで親しくなっていく。

朱夏とともに鉄山を抜け、浄法寺へと同行する。

浄法寺では、蒔から塗りを学びながら、鉄山で得た知識を生かした製作へと情熱を抱き、

砂屋の事業へと傾倒していくことになる。

慶二(ケイジ)

1854(嘉永7)年生まれ

心優しい春一の弟。幼い頃小さかった身体は、次第に大きくなる。

朱夏とともに橋野鉄鉱山へ向かう。

嶺得(レイトク)

朱夏が通う月顕寺の和尚。45~50歳くらい。

髭面で酒好き。朱夏に読み書きばかりでなく、仏の教えの要諦や、信仰の在り方を説く。

当時としては長老に近いががまだ壮健。朱夏の父親代わりの存在。

横山三池(サンチ)

労務管理担当役人。アラサー。

世間師を生業として藩内を歩くことで得た経験を生かし、口入屋まがいの手腕で、藩内から鉄山へと労働力を供給している。

飄々と軽薄な雰囲気ではあるが、男だと偽って鉄山に入った朱夏にとって、本当は女だと事情を知っている三池は頼れる兄貴分である。

田中集成(シュウセイ)

三池より少し歳上の銑鉄技術者。高炉技術の研究に情熱を注ぐが、政治には関心がない。

なまじの武家よりも話が合う朱夏のことを気に入り、三池とともに相談に乗る。

なお、名前の本来の読みは「カズナリ」である。

荒船富男(トミオ)

鉄山の棒頭(現場監督)で人夫たちを酷使する。容貌は狐に似て、神経質だが同時に荒っぽい。

もとは上州で世間師をしており、三池とも交流があったため、何かと張り合っている。


小松川喬任(コマツガワ)

橋野鉄山を差配する旧武家。40代前半。

長崎で蘭学を学び、南部藩内に近代的な洋式高炉を導入したその人。

見た目は厳しいが清濁を併せ吞み、朱夏と透を鉄山の中核となる、ある事業に登用する。

滴(シズク)

1850(嘉永3)年生まれ

木地師と名乗り、盛岡で朱夏と透を助けた頼もしい姉御。新聞を読むのが好き。

二人を浄法寺へと導き、商家「砂屋」の食客とする。

砂屋の経営を担い、漆の生育、競りの開催、天台寺との交渉、生産組合の結成など、

時代の流れに応じ、先を見据えた手を打っていこうと奮闘する。

蒔(マキ)

1854(嘉永7)年生まれ

座敷童のように福々しい見た目をした滴の妹。

圧倒的技術力で砂屋の塗り小屋を治める塗り師。

行商の男たちに強気に交渉するが、それは世間知らずの裏返しでもある。

透に塗りを教える中で、彼女自身も成長していく。

風陣(フウジン)

越前から浄法寺へやってきた越前衆の頭目。

大柄で髭面。ならず者のように見えるが、口調は柔らかく油断できない。

浄法寺に「殺し掻き」を導入し、越前の刃物を売って生産力を高める。

「旗屋」の食客として、砂屋に対抗する。

政(マサ)

天皇家の赦免状を持つ近江の木地師。風陣とともに旗屋の食客として活動する。

大柄な風陣とは対照的な小男で、ほとんど喋らないように見える。

やがて砂屋と旗屋の対立の中で、特殊な役回りを与えられるようになっていく。

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