第19話

文字数 388文字

 もう、とっくに大阪に着いた頃を過ぎても、佐分さんからは何の連絡もない。

 急に不安になるが、連絡がないからこそ余計に意地になって、向こうから先に連絡してくるまで、私からは何も言わないでおこうとしてしまう。
 大丈夫、佐分さんは誠実な人に決まっている。
 そう信じて居たが、ひと月過ぎてもまだ連絡がないので、流石におかしい気がした。
 SNSを開こうにも、まさかブロックされていないかという不安がよぎり、怖くてアカウントを消し、改めて作り直した。
 恐る恐る、佐分さんの投稿を見ると、以前は「まだ使い方がわからない」としか書かれていなかったのに、最近はマメに更新されている。

 その内容に、私は頭が混乱した。
 最新の投稿が、
「この子の為なら、どんなに辛いことも頑張れるから」
 まだ生まれて間もないと思われる赤ん坊の写真と共に、そんなことを書かれてあるのだ。
 意味がわからず、遡って読んだ。
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