第7話

文字数 328文字

「じゃあ、頑張ってね」
 そう言って店を出て行った。
「またのご来店、お待ちしています…!」
 その言葉は、マニュアルでも何でもなく、私の本音だった。

*****

 しかし、その後、佐分さんは一度も店に現れることはなかった。
 今は地元を離れていると言ったが、何処へ行ったのだろう?
 何一つ、尋ねることが出来なかった。
 暫くして、私はまた体調不良が悪くなり、コーヒースタンドを辞めた。
 何もしないよりはマシだと、お金にならない内職をして日々を過ごした。
 ただ漫然と静養していたら、佐分さんのことを考えてしまうと思ったのだ。
 しかし、内職のような単純作業では、仕事をしながらでも考えてしまう。
 こんなことは初めてだった。
 私は、恋愛において、とても高飛車なところがある。
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