第22話

文字数 335文字

 実際にそうなのかもしれない。
 妻に対して愛があるが、綺麗な愛だけでは満足出来なかったということだろう。
 そんなクズを10年も引きずり続けてきた私は、笑えないピエロだ。

 私は、いい女ぶって生きてきたが、もう若さだけでは勝負できないだろう。
 これは、過去の男たちにしてきた仕打ちのしっぺ返しなのだろうか。
 佐分さんの何も知らず、引きずり続け、やっと結ばれたと思いきや、こんな結末だなんて。

 きっと、決して手に入らないからこそ、輝いて見えたのだろう。
 始まることも終わることも出来ない、恋にすらならない関係だったからこそ、こんなにも引きずった。

 しかし、これでやっと10年の片想いにピリオドを打てる。
 自分でも信じられないほど、呆気なく気持ちが冷めていくのを感じているから。
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