第5話

文字数 359文字

 佐分さんもミニシアターが好きだと言っていたので、さり気なく誘おうと思っていた頃、突然、佐分さんの姿を見ることがなくなった。
 さり気なく、他の病院スタッフに尋ねてみたところ、
「ああ、佐分さんなら辞めたよ」
「え…?」
 そんなこと、何一つ聞いていなかった。
 もっとも、私に言わなければいけないようなことでもないのだが。
 もう会えないの…?
 結局は何も始まらないまま終わってしまったなんて。
 今はまだこんなに切ないけれど、いつか忘れられるはず…。
 そう信じて、新しい仕事も始めた。

****

 私の新しいバイト先は、人気のコーヒースタンドだった。
 慣れるまでの間は、お店が暇な時間帯に勤務させてもらうことに。
 お客さんの顔を見るのが苦手だし、接客はあまり向いていないかも…。
 そう思いつつも、何とか仕事に慣れ始めたある日のこと。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み