第23話

文字数 332文字

 季節はめぐり、あれから2年。
 今、私は小笠原で暮らしている
 冬が苦手な私にとって、どうやら南国暮らしは合っているようで、珍しくずっと体調がよく、やっと仕事も定着した。
 この歳になって、サーフィンも始めた。
 あれから、私は一度も恋をしていない。
 本当は、誰かに甘えたい時もあれば、かりそめの恋でもしたい時もあった。
 こんな私のことを好きだと言ってくれるボーイフレンドも居る。
 彼はきっと、いい人なのだろうと思う。
 しかし、私は一人で生きていくと決めた。
 勿論、本当の意味で一人では生きていけないとしても、自立した女になりたいから。
 佐分さんのことで胸が痛むことなど、もうない。
 だからといって、彼の幸せを願うほどの器もなく、あんな男はどうでもいいというのが本音だ。
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