第10話

文字数 361文字

 私は、元彼に何の思い入れもなかったので、検索したことなどなかったが、思い立ったように、普段は使いもしないSNSに手を出し…。
 真っ先に探した相手は、佐分さんだ。
 見てみたい思いと、やはり見たくないという相反する思いだったが、想像以上にあっさりと見つけてしまった。
 一人でスマホの画面を見ているだけなのに、胸の鼓動がどうしようもなく激しい。
 どうやら、まだ佐分さんもSNSを始めたばかりのようだった。
 昔の二人ならば、恋愛どころか、個人的に連絡をとることも許されなかっただろう。
 今は問題ないと思うが、問題は、あまりにも歳月が過ぎてしまったこと。
 佐分さんが、私を覚えているかどうか…。
 プロフィールを見ていると、佐分さんは今、大阪で暮らしているようだ。
 心臓が毀れてしまいそうな思いで、私は佐分さんにメッセージを送った。
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