第14話

文字数 238文字

当惑した面持ちで、みゆきの戻ってくるのを待っていると、ドアが開き、戻ってきたみゆきが僕に言った。

「帰ろう」

男性従業員は気まずそうに微笑んで、みじろぎもせずみゆきを見ていた。

僕は、みゆきの突然の気変わりにひるんだが、尻を滑らせてスツールから下り立つと、会計を済ませたみゆきを追うよにして通りへ出た。

その頃には、夜中の1時半くらいになっていた。

雨は止んで、少しひんやりした夜気をすいこみながら歩き出し、2丁目の交差点のわきに立って、タクシーを拾い、二人でまた歌舞伎の方まで戻った。
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