第18話

文字数 400文字

電話を終えたみゆきと何を話したか、わずかな記憶が残っている。みゆきがそのあとした話は、彼女の好きな芸能人についてだった。みゆきによれば、関東近県のコンサートには必ず足を運んでは、ハチが花に群がるみたいに出待ちをしているそうだ。

みゆきみたいな大人の女性が芸能人の追っかけするなんて意外だったが、彼女がそういうのを聞いて、みゆきの美貌があれば、石井竜也も心惹かれることだろうなと思った。

そして焦げた肉が網に張り付いころ、みゆきが座ったまま会計をし、自分の携帯の番号を二つ教えてくれた。あと苗字も。

「どっちにかければいいの?」

「どっちでもいいよ」

当時の僕は、まだ携帯を持っていなくて、権利を買うだけで8万くらいした固定電話がアパートにぽつんと置いてあるだけだった。

けど、もはや固定電話の時代ではなくなっていたので、これをきに、携帯を買ったのを覚えている。もちろん世間からすると、かなり遅い買いものであった。
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