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文字数 638文字



階段の途中で立ち止まり振り返る
ずいぶん登ってきた
活きいきしてる僕悲しみにくれる僕
これからもどのくらいの
感情と出会えるのか分からないけれど
あの日の僕があったから今ここに僕は立ってる
そういった些細な事に目を向けられるのも
今穏やかにいられるから
なんでもないような事に意味を重ねてきても
報われない気持ちがただ置いてきぼりになる事に
気付くまで沢山傷ついて
遠回りしながらここまできた
目の前にある景色が美しく広がっている事すら
何処かで見ないフリして
自分が作り出した幻想を崇拝して酔いしれていた
遠くで誰かが叫ぶ声に耳を塞いで
前に進んでいたらこんな事に気づくのに
あと何年かかっていたのだろう
君が同じ迷路に迷い込んでも
手を差し伸べもしないで
その日だけが楽しければ
良かったクズ野郎だったと思う
してきた事は払拭できないけど人は間違いを犯す
それを目の当たりにできたから
今冷静に周りを見渡せる
退屈な毎日が嫌だったとか言い訳してきたけれど
退屈なのは自分にカードがないから
何も知らない事がどれだけ馬鹿げた事なのかを
知ることから始めたあの日から
僕の道はどこからともなく
眩しいくらいの日がさして
こんなに遠くまでの道を
どこまでも照らしてくれる
まだ先は長いからこれから何度となく
泣くことも悔しがることにも
出会う日がきっとくるけど
それでも歩いて行ける
君がどこかで同じ階段を
ひたすら登っているのを知っているから
負けたくない今はそれだけ
あと何回振り返るか分からないけど
いつかどこかで同じ景色を
見れることを信じでまた歩き出す




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