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文字数 411文字



絡まった糸のほどき方を
知らずに今日まで来たから
手をこまねいて立ち尽くす
ハサミで切る事しか
今までは思いつかずに
手に余ったら簡単に切り捨ててきた
嫌いになった相手はもちろん
別に嫌いじゃない相手にさえも簡単に
手元に残った残骸は
思い出すたびに少しずつ千切れて
そしてほんの少しずつ棘を残して
いつのまにか見えなくなっていくから
それが正解だと思ってきた
あなたと出会うまでは
傷つきやすく脆く見えるのに
あなたのそれは絡まって斬り捨てても
何故かまた何処かで絡まってくる
そのうち切るのも面倒になって
今日ここに至ってる
いつものようにするべきか
そっと解いて何処かへ結ぶか
それともこのまま見ぬふりするか
どの答えも正解がないから
今日もまた時間切れで
いつもと同じ後始末する
残った棘が珍しくうずきだして
選んだ答えが間違いだったと
今日は珍しく教えてくれた
またいつかあなたと出会えそうだ
次に絡まった時こそは
選ぶ答えを間違わぬように
心に残る小さな痛みを忘れぬように



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