文字数 506文字



あなたがいる遠い街には
今日もまた雪が降り
見渡す限り白とグレーとシルバーと
同じような色が広がって
静寂を纏っていますか
あなたは退屈な場所だと
よくお酒を飲んではこぼしていたけど
僕は割とその風景を
羨ましく思っていました
煩わしいこの場所から離れて
その世界へと行ければ
また違う思いが込み上げるのだろうけど
埃まみれのこの場所しか知らないから
ただただ羨ましく思うのでした
冷えた手を温めてくれるように
温もりを知らない僕のことを
名前も知らないのに
あなたはいつも優しく
その雪さえも溶かすほどの情熱で
いつも包み込んでくれますね
生まれて初めて身を委ねられる
そんな場所を知りました
あなたがいる街に
今日もまた雪が降っていると
たくさんの場所から
知ることができます
その白の中に僕が迷い込んだとしても
あなたはきっと見捨てずに
探し出してしまうのでしょう
そしてその温もり全てで
また僕を包み込んで
ここへと連れ戻してしまうのでしょうね
それぞれの場所で
強く生きていきましょうと
優しい笑顔で優しい眼差しで
あなたにそう言われたら僕は
まだ頑張れる気がします
いつかここに同じ雪が降ってきたら
あなたと一緒に空の果てを眺めながら
いつか会える日を思い
今日は眠ろうと思います
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