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文字数 517文字



誰かの営みを眺めて過ごす
誰かの笑顔も涙も怒りも
何処かで俯瞰していくしかないけど
何処かでほんの少し交わる時に
関わり方なんて考えずに
関わり合ってしまうのが日常
向かい風にさらされながら立ち止まり
僕らは広く浅く互いを受け入れる
ガラス一枚隔てた
偽物の感情を巧みに使い
ときにあなたの中に深く
関わり合える種を植える
そうやって僕らは
少しずつ大人になっていく
傷つくことで失うもの
傷つくことで得られるもの
その積み重ねに振り回されながら
やがて訪れる終焉に辿り着くまで
幼い自分が見た背伸びした先の未来
黒く塗りつぶされた街に
怖さに包まれて目を背けた
昨日手にしたその箱の中に
包まれていたものがあの日のものと
同じものだと気づいた時に
スタートラインに立てた気がした
傷つくことで失うもの
傷つくことで得られるもの
その全てが同じ答えになるとは限らない
でもその中にある確かなもの
僕にしか分からないモノを
見つけることができた事に今
前を向いて戦える気がした
これからも続く果てしない道のりは
誰かにいつか邪魔されたり
間違えた事に気がついて
やり直す事もあるけど
自分だけは信じて歩き続けようと思う
誰かが僕を俯瞰して見ている
それが当たり前と
気づいた夜に僕はまた一つ
大人へと近づけるのだろう
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