第18話
文字数 422文字
彼を求める気持ちはもう抑えられない。この心の空虚を埋めてくれるのは彼しかいない。
ある時、彼が最後まで残していたショートケーキのイチゴをちょっとつまんで食べたら、彼は口を開けて怒った。「あ、お前って最低な奴だな」
わたしは笑って言い返してやった。
「小さな人ね」って。
それから先のことは、今思いだすと夢のようだ。
彼はベッドの中で、愛情を求める少年のように甘えた声で言った。
「ずっとそばにいて欲しい」
私はつい、笑ってしまった。けど、その言葉は私に勇気を与えた。私は一層母性的になろうと努め、声をあげながら足を彼にからませた。彼は私の腕の中でうっとりと夢見るような顔をしていた。私は精一杯の笑顔を作って、心のこもった、やさしい仕草で彼の求める女を演じた。とはいえ、不意に夜中に目を覚ますと、どうしようもなく不安に駆られ、はかり知れない怖さを覚えたのも事実だった。
あなたと知り合って以来、そんな容赦ない拷問にも似た時間が夜になると幾度となく押し寄せてきた。
ある時、彼が最後まで残していたショートケーキのイチゴをちょっとつまんで食べたら、彼は口を開けて怒った。「あ、お前って最低な奴だな」
わたしは笑って言い返してやった。
「小さな人ね」って。
それから先のことは、今思いだすと夢のようだ。
彼はベッドの中で、愛情を求める少年のように甘えた声で言った。
「ずっとそばにいて欲しい」
私はつい、笑ってしまった。けど、その言葉は私に勇気を与えた。私は一層母性的になろうと努め、声をあげながら足を彼にからませた。彼は私の腕の中でうっとりと夢見るような顔をしていた。私は精一杯の笑顔を作って、心のこもった、やさしい仕草で彼の求める女を演じた。とはいえ、不意に夜中に目を覚ますと、どうしようもなく不安に駆られ、はかり知れない怖さを覚えたのも事実だった。
あなたと知り合って以来、そんな容赦ない拷問にも似た時間が夜になると幾度となく押し寄せてきた。