第8話
文字数 320文字
彼と見に行った映画はセント・エルモス・ファイアーという映画だった。
社会人生活のスタートを切った7人の若者たちの青春映画。原題のセント・エルモス・ファイアーとは、荒海に方向を見失ったふなのりたちを導く伝説の守護神のこと。
いつもそうなんだけど、映画が終わって表に出ると、何もかもがゆったりして見えた。けどその日は彼がそのまま仕事に行ったから、なんだか少し慌ただしく感じた。
駅の改札口で彼と別れ、山手線の階段に向かっていく彼はすぐに雑踏に隠れてしまうほど小さくなって、ふりむきもせず、人ごみにまぎれて消えてしまった。
そしてそのあと、私は1人でレコード屋に行ってセント・エルモス・ファイアーのサウンドトラックのカセットテープを買ったのを覚えている。
社会人生活のスタートを切った7人の若者たちの青春映画。原題のセント・エルモス・ファイアーとは、荒海に方向を見失ったふなのりたちを導く伝説の守護神のこと。
いつもそうなんだけど、映画が終わって表に出ると、何もかもがゆったりして見えた。けどその日は彼がそのまま仕事に行ったから、なんだか少し慌ただしく感じた。
駅の改札口で彼と別れ、山手線の階段に向かっていく彼はすぐに雑踏に隠れてしまうほど小さくなって、ふりむきもせず、人ごみにまぎれて消えてしまった。
そしてそのあと、私は1人でレコード屋に行ってセント・エルモス・ファイアーのサウンドトラックのカセットテープを買ったのを覚えている。