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文字数 360文字



いつもの時間いつもの帰り道
君が寒そうに歩いてるのを見つけた
そっと近づいて僕のマフラーを掛ける
君は振り返って驚いていたけど
すぐに嬉しそうにありがとうと微笑んだ
近くの自販機にコインを入れて
温かい飲み物を手に入れる
君は嬉しそうに受け取ると
頬に当てて温もりを感じてる
そんなささやかな幸せも
人によっては歪んで見えて
微笑ましさよりも苛立ちに変わる
それぞれを引き裂くくらい
それぞれに愛しさを持つ人もいる
見ず知らずの影もしくは身内に
気付かれずに疎まれていることもある
収まっているものが永遠ではない
だからこそ今のその目の前の
ガラスケースの中の形あるものを
守るために強くならなければならないし
小さな一欠片にも愛しまなければ
いつかその手の中から
砂のように水のように
流れてこぼれて消えてしまう
今あるものを大切に
2度と手に入らないかもしれないから



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