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文字数 488文字



一雨ごとに暖かくも寒くもなるように
一涙ごとに悲しみが深くなったり
一涙ごとに気分が晴れやかになる
今は泣けないからと
我慢することを覚えてる人が
見渡す限りに溢れていて
何かに負けまいと
見えない球体の中でもがき苦しむ
嬉しいとも言えず
苦しいとも言えず
押し黙って黙々と何事もなかったように
目を見開いて闊歩していく
その人もまた濁った球体の中
その手元にあるもので本当の何かを
見つけられるのかは知らないけれど
多くの人の本当に欲しいものは
自分が既に持っているのに
いつまでもどこまでも
探し求めて彷徨っている
自分もまたそうやってたくさんを
抱えながら生きてきた
息をするのを忘れて
濁ったまま少しずつ溜まっていく
その柔らかい塊に溺れそうで
毎日がいつか終わりそうで怖かった
諦めて立ち止まって
止めどなく溢れ出たままを
受け入れた瞬間
晴れ渡る視界見えた景色は
今までの濁りが嘘のようで
重い足取りまで軽く感じた気がした
自分を許そう
人が思う以上に頑張ってるから
泣ける時笑える時苛立つ時
人の目など気にしないで
ぶつけられるものがあるなら
出し切ればいい
空っぽになったらまた新しいものを
たくさん詰め込んで
また歩き出そう一番の笑顔で




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