文字数 443文字



考え事をしながらの散歩道
信号無視で突入した横断歩道
忙しく上の空なのは
自分だけじゃないと言い訳しながら
似たような存在の大人たちを
嗜めるように遠くから
拡声器越しに注意の声が届く
うっかりした恥ずかしさで
地下へと続く階段に足速に消える
申し訳ない気持ちをそこに残して
少しずつズルくユルく生き抜く
押し込まれる箱の中の大人たち
有耶無耶にいろんな気持ちを
カスタマイズしながら
この季節の新作ドリンク見つけて
一緒に飲み干して諦める日々
どんなにチャンスを得られても
何処かで足を引っ張りあって
タイミングは段々と合わなくなってくる
それでもなんとか見計らい
手に入れたモノが
キラキラとしていないとか
くすんで見えてしまうのは
他の誰かが手にしたものの方が
よく見えてしまっているからなのかな
帰り道赤信号に引っかかって
バスに乗れなかったけど
見上げた空はいつもより綺麗だった
本当はたったそれだけでも
良い日だったと思えていた
あの頃に戻れたなら
また違うみちを歩いて
進むことにも立ち止まることにも
自分らしさ見つけだして行けたらいいな


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