信号機

文字数 314文字

揺らめいて落ちていく悲しい残像
心の隙間に揺らぐ新世界
悲しみの途中の狭間へと
それは巡り巡っていく
あらゆる概念の終結音が
長い冬の掃除機を淀ませて
懐かしい屍のコーヒーを編む
あの星座の欠片の恋模様は
不思議な運命の歯車の糸で
遠い夏の毛布の犬が
輝いた電波塔の頂上の粒
それは星屑の泣き真似
切ない耳かきの音符の中の
夢見る傷ついた印の温度
それはまぎれもなく鯨のように
音を立てて崩れる無音の影に
似ている扇風機のロケット
遠い虫たちの輝く胸に
抱いた音速の無限の針が
遠くを数字で書いた記号の
懐かしいテストの食器
イタチは思った虚無を
抱きしめて破裂に向かう
素早い鳥の宙返りが
今日もテーブルの上を濡らす
結局帰り道はその先へ
無限の響いた六角形が
テントで喚く信号機

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