夏

どこまでも連なる緑色の山
太陽の光に照らされて
田んぼの稲は夏の風に揺れる
路肩のひまわりが太陽を見ている
あなたは遠くからやってくる
黄色のポロシャツと長い黒髪
もし心の中にあるものが
全て消え去ったとしたら
僕はきっとあなたに微笑むことができるだろう

閉ざした部屋の中で
パソコンの画面が明るく光る
窓の外の風景はいつも変わらない
変わり続けることができたら
その時、僕は満たされていて
疲弊した部屋の壁紙も
新しく塗り替わるだろう

あなたは優しかった
僕はそれを曖昧な気持ちで受け止めた
熱気に満ちた世界を
河原に向かって歩き始めた
揺れ動く感情は
いいものばかりではなかった
だからせめて言葉だけは
まともで優しいものにした
それはきっとあなたもそうで
僕らはそんな中を進んでいく
淡い憎しみが
世界の中を散乱して
それが心に浮かんでくる