文字数 252文字

さよならの駅で
雪の残像は苦しみに紛れて
傷つきながら地面に落ちる
一面の白い世界の中で
電車を待つ
非現実へ向かう切符は
確かに手元にあるだろうか
安息の出発地で
君を待っていた
全てが幻想で
それを見破り
新たな人間になった君が来るのを
冬の風に吹かれながら待つ
僕らは際限なく続く憂鬱の中に
穏やかな日の光を待ち望んだ
見果てぬビルの街は
僕に何をもたらすのか
雪は降り続いている
寒さに凍えそうになりながら
それが終わる時を待つ
電車はやってきた
誰もいないホームに
君の面影を探す
歩いてきた道の中に
不思議な歪みがあった
僕はただそれを求めた
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