部屋の中

文字数 352文字

あさって彼女がやってくる
何かを引き連れて
きっとそれは僕の知らないもの
だから部屋のテーブルの上に
煙草を並べて
本数を数えた
これから地震がやってくるかもしれない
窓の外の光がカーテンの隙間から差し込んでいる
この部屋は薄暗い
煙草の煙が憂鬱を溶かすことができれば
僕はもう少し落ち着いて
彼女を招きいれることができるだろう
とりあえず僕は手帳の中に
無意味な数字を書き込んだ
些細な物音が
ここでは致命傷に感じるのは
傷ついたものが
もう一度再生を試みているのかもしれない
あの目を見た時に
僕はどこか安心していたところがあった
初めて話をしたとき
彼女は冷たかった
僕は何か悪いことをしていたのか
今ではわからない
部屋の静寂の中に
車の音が響く
いったい世界はどこへ向かうのか
テレビでは今日起きたことが
しきりに流れているが
僕は別のことを考えていた
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