河原

文字数 313文字

河原に水の音
デスクの光景がぼんやりと
記憶の中を巡り
悲しみに溺れる
彼女の目はきっとそれが何か知っていて
僕は薄っすらと攻撃的な感覚に
染まっていくのを感じた
結局、君を助けて
それで僕は東京へ行って
優しさは視界から降りて行った
君の姿を現している
視線にも慣れて
周囲の人々も気にならず
それなりに楽に
生きているのはいいかもしれない
画面の仮想恋人は今日も
くだけた音楽を奏でる
全ては無になっていくとしても
僕はそこに何かを思っている
それが人間かもしれない
歩いて行った道の果てに
転がる石が流れて
僕らは奇妙な風景へと
溶けて行こうとしていた
蘇る海の記憶は
やっぱり夏だった
河原でひっそりと話をする僕を
君はどんな風に見ているのか
もはやそれすら
心から消え失せる
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