街灯

文字数 286文字

街灯の光が
どこか悲しく見えて
僕は目の前の道路を
じっと眺めていたけれど
でも少しずつ憂鬱な気持ちは消えて
なんだか心地よかった
風のせいかもしれない
大気は揺らいでいる
夜の星の明かりが
空を照らしていた
アスファルトの道は
少し先まで続いている
角を曲がると
家々が並んでいた
記憶の中の情景は
いつだって
寂しさや満たされないものを
ずっと伴っていた
でも美しいと時々思うのは
なんだか奇妙なものだ
僕自身、その時は
そんな風に感じていなかったのに
仕事終わりのスーツのネクタイを緩めて
家に向かっていく
この街も少しだけ変わったけれど
世界とはそういうものかもしれない
歩いて行った先には
家の窓の明かりが灯っていた
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