第95話 観光
文字数 1,961文字
一
翌朝、糸音はリビングへ向かうとミナモが椅子に座り本を読んでいた
「おはようございます糸音さん」
「おはようミナモさん」
「朝食はどうなされますか?」
「そうだな、何か軽いものを頼むよ」
「承知しました」
ミナモは本を閉じて、リビングと隣接しているキッチンへと移動した。しばらくすると紅羽が起きてくる。
「おはよう」
「おはよう」
「よく眠れたか?」
「あぁおかげさまでな」
「そりゃ、よかった」
紅羽は眠そうにキッチンへと向かう。しばらくしてミナモが軽い朝食を運んできた。それから紅羽はキッチンから持って来たであろうパンを片手に椅子に座ると新聞を開き読み始める。
「ありがとうミナモさん。紅羽、おっさんみたいだな」
「新聞は読んだ方がいいぞ。まぁ子供にはわからんか」
「紅羽、歳いくつだっけ?」
「17だが」
「ませてるな」
「うっせぇ」
糸音は軽い朝食を食べ終えリビングを去ろうとした時、紅羽が声をかけてきた。
「あー、昼前には出るからな」
「おっけー」
糸音は階段を上り自分の部屋の前へ着くと、隣の部屋から眠たそうに目をこすりながら椿がでてきた。
「あ、おはよう糸音」
「おはよう椿、眠そうだな」
「うん、昨日ちょっと眠れなくて」
「そうか、昼前には出るそうだ。今日はよろしく」
「うん!」
椿は階段を降りて行った。糸音も自室へ戻り横になる。
「まぁ、特にやる事もないからな」
糸音はふとミナモが本を読んでた事を思い出す。
「今度、ミナモさんに本でも借りるか」
その後、特に何もなく午前は過ぎて、紅羽が部屋へと呼びにきた。
「糸音、そろそろ」
「了解」
部屋を出て一階へ降りて外へ出ると、ミナモと椿が待っていた。
「よし、行くか」
四人は京の街へ向かって歩き出した。数分、山道を下っていくと街への入り口の門が見えてきた。
「ついたー!」
「いつ見てもこの街は華やかだな。とりあえず俺はこのままカンナギの館へ向かうよ。二人を頼んだよミナモさん」
「承知しました」
「じゃあな、椿、糸音、また終わったら合流しよう」
紅羽は二人を撫でると糸音は手を振り払った。
「子供扱いはやめろって」
「ふっ、仲良くな」
紅羽は人混みをかき分けて北へと向かっていった。
「どこ行こっか?」
「少し腹が減ったな」
「あ、それじゃあ。いいところ知ってるから案内するよ!」
「ありがとう」
椿は糸音の手を掴むと歩きだす。その後ろをゆっくりと歩くミナモ。
二
「やっぱり、この街は変わらねぇな」
紅羽はゆっくりと辺りを見ながら歩いていた。
「お、紅羽じゃねぇか!」
「ん?」
紅羽の前から一人の男が、駆け寄ってきた。
「おう!ケールさん、久しぶりだな」
「おいおい、いつ戻ったんだ?」
「つい昨日だよ、いやー、なんかあんまり変わらねぇなこの街も」
「言うても一ヶ月ぐらいだろ。そりゃあ変わらねぇよ」
「それもそうだな。今から皇王様に会って報告しに行くんだが、一緒に来るか?」
「いや、俺は今、仕事中だからよ。また今度飯でも行こうや」
「そうか、邪魔したな!シャオさんにもよろしく言っといてくれ」
「おうよ!んじゃな!」
紅羽はケールと別れると再び北へと歩きだした。
三
「ここが、雷文亭!ラーメン屋だよ!」
「おー、ラーメンなんかあんまり食べた事がないな」
「えー!損してるね。さぁ入った入った!」
背中を押され中へと入るとラーメンの香ばしい匂いが漂っていた。
「らっしゃい!おっと、椿ちゃんじゃねぇけ。今日はお友達とかい?」
「そうだよ!じっちゃん、いつものやつ三つね!」
「あいよー!」
空いているカウンターに三人は座る。
「友達か」
「どうしたの?」
「いや、友達なんて言われたのは初めてだなって」
「そうなんだ!いうて、私も初めてかも!友達かぁ」
嬉しそうに椿は笑った。しばらくしてラーメンが店員から運ばれてくる。
「ありがとうございます。じゃあ、いただきまーす!」
「いただきます」
「いただきます」
「うーん、やっぱり美味しい!ね、どう?」
糸音に勢いよく尋ねる椿。
「うん、美味しいよ」
「よかった!」
椿は笑みを浮かべて、再び自分の器へと箸をのばしてラーメンをすする。三人は黙々と食べる。
「ふぅ、満足満足」
「また来たいな」
「うん!気に入ってくれたなら良かった!」
「この後は?」
「街へ出て色々なところで遊ぼうよ!案内する!」
「あぁ、よろしく」
「おっちゃん!ありがとう!また来るね!」
「あいよー!あんがとね!」
三人は勘定を済ませると外へ出る。
「とりあえず次は劇場でゆっくり鑑賞だね」
「劇場?」
「そう!まぁ演劇だね」
「じゃあそこへ行こうか。よろしく」
三人は南京で一番有名な劇場シアターオブペインへと向かう。
翌朝、糸音はリビングへ向かうとミナモが椅子に座り本を読んでいた
「おはようございます糸音さん」
「おはようミナモさん」
「朝食はどうなされますか?」
「そうだな、何か軽いものを頼むよ」
「承知しました」
ミナモは本を閉じて、リビングと隣接しているキッチンへと移動した。しばらくすると紅羽が起きてくる。
「おはよう」
「おはよう」
「よく眠れたか?」
「あぁおかげさまでな」
「そりゃ、よかった」
紅羽は眠そうにキッチンへと向かう。しばらくしてミナモが軽い朝食を運んできた。それから紅羽はキッチンから持って来たであろうパンを片手に椅子に座ると新聞を開き読み始める。
「ありがとうミナモさん。紅羽、おっさんみたいだな」
「新聞は読んだ方がいいぞ。まぁ子供にはわからんか」
「紅羽、歳いくつだっけ?」
「17だが」
「ませてるな」
「うっせぇ」
糸音は軽い朝食を食べ終えリビングを去ろうとした時、紅羽が声をかけてきた。
「あー、昼前には出るからな」
「おっけー」
糸音は階段を上り自分の部屋の前へ着くと、隣の部屋から眠たそうに目をこすりながら椿がでてきた。
「あ、おはよう糸音」
「おはよう椿、眠そうだな」
「うん、昨日ちょっと眠れなくて」
「そうか、昼前には出るそうだ。今日はよろしく」
「うん!」
椿は階段を降りて行った。糸音も自室へ戻り横になる。
「まぁ、特にやる事もないからな」
糸音はふとミナモが本を読んでた事を思い出す。
「今度、ミナモさんに本でも借りるか」
その後、特に何もなく午前は過ぎて、紅羽が部屋へと呼びにきた。
「糸音、そろそろ」
「了解」
部屋を出て一階へ降りて外へ出ると、ミナモと椿が待っていた。
「よし、行くか」
四人は京の街へ向かって歩き出した。数分、山道を下っていくと街への入り口の門が見えてきた。
「ついたー!」
「いつ見てもこの街は華やかだな。とりあえず俺はこのままカンナギの館へ向かうよ。二人を頼んだよミナモさん」
「承知しました」
「じゃあな、椿、糸音、また終わったら合流しよう」
紅羽は二人を撫でると糸音は手を振り払った。
「子供扱いはやめろって」
「ふっ、仲良くな」
紅羽は人混みをかき分けて北へと向かっていった。
「どこ行こっか?」
「少し腹が減ったな」
「あ、それじゃあ。いいところ知ってるから案内するよ!」
「ありがとう」
椿は糸音の手を掴むと歩きだす。その後ろをゆっくりと歩くミナモ。
二
「やっぱり、この街は変わらねぇな」
紅羽はゆっくりと辺りを見ながら歩いていた。
「お、紅羽じゃねぇか!」
「ん?」
紅羽の前から一人の男が、駆け寄ってきた。
「おう!ケールさん、久しぶりだな」
「おいおい、いつ戻ったんだ?」
「つい昨日だよ、いやー、なんかあんまり変わらねぇなこの街も」
「言うても一ヶ月ぐらいだろ。そりゃあ変わらねぇよ」
「それもそうだな。今から皇王様に会って報告しに行くんだが、一緒に来るか?」
「いや、俺は今、仕事中だからよ。また今度飯でも行こうや」
「そうか、邪魔したな!シャオさんにもよろしく言っといてくれ」
「おうよ!んじゃな!」
紅羽はケールと別れると再び北へと歩きだした。
三
「ここが、雷文亭!ラーメン屋だよ!」
「おー、ラーメンなんかあんまり食べた事がないな」
「えー!損してるね。さぁ入った入った!」
背中を押され中へと入るとラーメンの香ばしい匂いが漂っていた。
「らっしゃい!おっと、椿ちゃんじゃねぇけ。今日はお友達とかい?」
「そうだよ!じっちゃん、いつものやつ三つね!」
「あいよー!」
空いているカウンターに三人は座る。
「友達か」
「どうしたの?」
「いや、友達なんて言われたのは初めてだなって」
「そうなんだ!いうて、私も初めてかも!友達かぁ」
嬉しそうに椿は笑った。しばらくしてラーメンが店員から運ばれてくる。
「ありがとうございます。じゃあ、いただきまーす!」
「いただきます」
「いただきます」
「うーん、やっぱり美味しい!ね、どう?」
糸音に勢いよく尋ねる椿。
「うん、美味しいよ」
「よかった!」
椿は笑みを浮かべて、再び自分の器へと箸をのばしてラーメンをすする。三人は黙々と食べる。
「ふぅ、満足満足」
「また来たいな」
「うん!気に入ってくれたなら良かった!」
「この後は?」
「街へ出て色々なところで遊ぼうよ!案内する!」
「あぁ、よろしく」
「おっちゃん!ありがとう!また来るね!」
「あいよー!あんがとね!」
三人は勘定を済ませると外へ出る。
「とりあえず次は劇場でゆっくり鑑賞だね」
「劇場?」
「そう!まぁ演劇だね」
「じゃあそこへ行こうか。よろしく」
三人は南京で一番有名な劇場シアターオブペインへと向かう。