第52話 それぞれ

文字数 838文字



メイは望める森で瞑想していた、その様子を眺める涼香。そしてメイは目を開けて、涼香に殴りかかる。
 
「とい!」
 
涼香はメイの攻撃を受け流し、メイの隙をついて足を引っ掛けて転がすと背中から押さえつけ、氷の刃を首に当てる。
 
「完敗です」
 
「さっきよりは良くなっていますが、まだまだですね」
 
メイは立ち上がり再び座り瞑想する。涼香との会話を思い出す。
 
「イメージですか?」
 
「そう、イメージは大事です。一体相手はどう動くのかとか、何をしてくるかとか、そしてあなたはもっと自由に戦った方があってますわよ。型にとらわれない戦い方、例えば、拳打ではなく武具を使うとか」
 
「型にとらわれない、、でもうち、武器持ってないんやけど」
 
「なら作ればいいんです、だからイメージは大事なんですのよ」
 
こういう風に、と涼香が氷の剣を作る。
 
「あなたと私の異能は似ていますから、参考にして下さるといいですわよ」
 
「おっす!」
 


真宵と白斗は夕凪邸の庭にいた。
 
「よし、真宵!やるか」
 
「白斗、始める前に一ついいか」
 
真宵が神妙な面持ちで尋ねてくる。
 
「どうした?」
 
「そういや、お前まだ六花さんを」
 
「あぁ、当たり前だ。これは俺とあいつの問題だ。今度こそケリをつける」
 
「そうか、なら何も言わない」
 
「すまないな」
 
気を取り直して手を叩く真宵。
 
「さて!っで何するんだ?」
 
「そうだな、とりあえず戦いながら東へ進んで行って、順番に街を巡ろうか」 
 
「それってなんか意味あるの?」
 
白斗は少し考えて、何かを思いついたかのような顔をすると。
 
「ある!どんな場所でも常に最高の技量で戦えるようにする!とか」
 
「おいおい、絶対今考えただろ」
 
「あー、それと情報収集だ!あの赤女に言われてたんだった!」
 
「はぁ、まぁいいけど。じゃ行こうか」
 
それぞれの特訓が始まった。そして京とヘルフェブルの戦いが終わって五日後。南の街ペルシャナにてもう一つの戦いが始まろうとしていた。

第三章  幽愁暗恨  閉幕 
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登場人物紹介

夕凪糸音(17)


本作の主人公

殺し屋異能一家夕凪家の末っ子。

四年前ある事がきっかけで夕凪家から出て行く。

理由は覚えてないそうだが人殺しはもうしないと決めているそうだ。

学園に通う数ヶ月前、夕凪家当主である夕凪志貴に倒れているところを発見され保護される。

志貴に再開するまでの四年間の記憶がない。

記憶を失っているからなのか静かで冷静沈着。


ツグハ(25)


夕凪家に仕えているメイドさん。

何でもこなして万能なメイドさんだが実は少し抜けている。

休みの日はいつも何しているか誰も知らない、謎多きメイドである。

雷々メイ(17)


夕凪学園の糸音のクラスメイト

活発で正義感に溢れた関西弁の女の子

あんまり考えなしで行動しがち、誰とでも仲良くなれる性格である。


異については体内から電気を放出しそれを自在に操れる。

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