第73話 お月見
文字数 1,043文字
夜になり、四人は早めの夕食を摂り、少しの談話を経てそれぞれ睡眠についた。しかし糸音は昼間眠ったせいなのかなかなか寝付けなかったので、一度外に出ることにした。
森の中を進んでいき昼間の川に辿り着くと岩の上に座り月を見上げた。
「なんだ、お月見か」
声のする方を向くと詩織が寝巻きで一人立っていた。
「起こしたか?」
「いや、なんとなく起きた。それにしても今日は綺麗な月だな、ってことでこれ」
詩織はそう言うと片手に酒を持っていた。
「呑めるか?」
「あぁ」
「よしきた!ルクスリア達には内緒だぞ、私ら飲んだらダメらしいから」
「詩織はさぁ、なんでそんないつも呑気なんだ?」
「えらく不躾な質問だな、まぁいいけど。私は別に意識はしてないけど、こういうのが私には向いてるんだよ、真剣にとか嫌いなんだよね。すぐふざけちゃうんだ、んで怒られる。逆に糸音は堅すぎるんだよ、もう少し楽に生きたらと思うよ」
「そうかな、自分じゃわからない。そういえば詩織はなんでこの国に来たんだ?」
「私は、ある依頼でこの国に来たんだけど、まだその依頼は達成されていないからまだ帰れないんだけどね」
「それってこの国を変えろとかそういうやつか?」
「いや、また別の依頼だよ。私は何でも屋だからね、糸音も何かあったら、いい値で引き受けるよ」
「そうか、まぁ何かあればまた依頼するかも、その時はよろしく。ところで詩織の出身はどこなんだ?」
「私の家はこの国の端っこにあるんだけど、何でも屋として活動している場所はすぐそこのフール大陸だよ」
「そうだったのか、私も出身はフール大陸なんだ」
「やっぱりか、夕凪って聞いてピンときたんだ、殺し屋一家だろ?」
「そうだな、私の実家は殺し屋だ、だけど色々あって家を出た」
「お互い若いのに苦労してるよな」
「ふっふ、おっさんかよ」
「お!糸音、笑ってるところ初めてみた!いいじゃん」
「あぁ、私も久しぶりに笑ったかも」
二人はたわいもない会話を深夜まで続けると、さすがに眠気が襲ってきて二人は帰って寝ることにした。
そして家に帰るとルクスリアが扉の前に立っていた。
「悪ガキども、酒なんか持ち出して、ダメだろうが」
「私じゃない、詩織だ」
「あ、せこいぞ糸音!えーと、これはですね魔が差しちゃいまして」
糸音はこっそり二階にあがろうとするがルクスリアがそれを許さなかった。
「糸音、バレてるぞ、二人共こっちだ」
詩織と糸音は正座をさせられて、ルクスリアから説教を受けることとなった。
森の中を進んでいき昼間の川に辿り着くと岩の上に座り月を見上げた。
「なんだ、お月見か」
声のする方を向くと詩織が寝巻きで一人立っていた。
「起こしたか?」
「いや、なんとなく起きた。それにしても今日は綺麗な月だな、ってことでこれ」
詩織はそう言うと片手に酒を持っていた。
「呑めるか?」
「あぁ」
「よしきた!ルクスリア達には内緒だぞ、私ら飲んだらダメらしいから」
「詩織はさぁ、なんでそんないつも呑気なんだ?」
「えらく不躾な質問だな、まぁいいけど。私は別に意識はしてないけど、こういうのが私には向いてるんだよ、真剣にとか嫌いなんだよね。すぐふざけちゃうんだ、んで怒られる。逆に糸音は堅すぎるんだよ、もう少し楽に生きたらと思うよ」
「そうかな、自分じゃわからない。そういえば詩織はなんでこの国に来たんだ?」
「私は、ある依頼でこの国に来たんだけど、まだその依頼は達成されていないからまだ帰れないんだけどね」
「それってこの国を変えろとかそういうやつか?」
「いや、また別の依頼だよ。私は何でも屋だからね、糸音も何かあったら、いい値で引き受けるよ」
「そうか、まぁ何かあればまた依頼するかも、その時はよろしく。ところで詩織の出身はどこなんだ?」
「私の家はこの国の端っこにあるんだけど、何でも屋として活動している場所はすぐそこのフール大陸だよ」
「そうだったのか、私も出身はフール大陸なんだ」
「やっぱりか、夕凪って聞いてピンときたんだ、殺し屋一家だろ?」
「そうだな、私の実家は殺し屋だ、だけど色々あって家を出た」
「お互い若いのに苦労してるよな」
「ふっふ、おっさんかよ」
「お!糸音、笑ってるところ初めてみた!いいじゃん」
「あぁ、私も久しぶりに笑ったかも」
二人はたわいもない会話を深夜まで続けると、さすがに眠気が襲ってきて二人は帰って寝ることにした。
そして家に帰るとルクスリアが扉の前に立っていた。
「悪ガキども、酒なんか持ち出して、ダメだろうが」
「私じゃない、詩織だ」
「あ、せこいぞ糸音!えーと、これはですね魔が差しちゃいまして」
糸音はこっそり二階にあがろうとするがルクスリアがそれを許さなかった。
「糸音、バレてるぞ、二人共こっちだ」
詩織と糸音は正座をさせられて、ルクスリアから説教を受けることとなった。