第9話 襲撃
文字数 1,607文字
一
屋敷の前に着くと糸音は足を止めた。
漂う殺気を感じて身構える。
「誰だ」
すると闇の中からフードの男が現れた。
「これは失礼した。殺気がもれてしまってたようだ。それにしてもあまりに早い到着ですね、未凪はとちったか。しかし妙ですね、あなたの様な人はリストにはなかったはず」
「さっきの奴も言っていたがリストとはなんだ?」
「まぁいいでしょう、事情を知っているので貴女も同罪ですね。死に行く貴女に話しても関係ありませんから」
男は針を飛ばしてくる、が糸音はそれを悠々と避ける。
「やるじゃないですか。では!」
男は一瞬で距離を詰めて、糸音を蹴りで屋敷の方に薙ぎ払う。
!?
糸音は門を破り本邸の前に吹っ飛ばされる。
糸音は体格は小さい方だが普通はただの蹴りでここまでは飛ばされない。間違いなく男は同業者、殺し屋であることを悟る。
「今の蹴りで落ちないとは頑丈ですね貴女は。おや?」
男の足には針が刺さっていた。
「あんたもいい蹴りじゃん。殺し屋」
「なかなかどうして。今の一瞬で受け身を取り、足に針を刺すとは何者ですか?」
「わたしは夕凪糸音、元殺し屋だ」
「夕凪?貴女は夕凪家なのですか、はっはっ、こりゃあいい、ボスにいいところは譲りましたが貴女と殺れるなら今回は良しとしましょう」
男は何が嬉しいのか笑みを浮かべている。
「こっちが名乗ったんだあんたは何者だ?」
「こいつは失礼した、私の名前はフィ・オール。夜光の衛のフィ・オール」
二
夜の森は好きだ、なぜなら夜は全てを隠す。心をも隠す。
「今日も異常なし!」
メイは今日も一人、夜の見回りをしていた。
「発見」
「ん?」
いつのまにかメイの後ろにガタイの良い男が立っていた。
「なんやお前は」
メイは半生を野生の中で生きてきた、そしてその野生の感とやらが言っていた、こいつはヤバい奴だと。間合いに入れば普通は気付くのだがこの男の存在に気付かなかった。
警戒しつつメイはいつでも対応できる様に身構える。
「リストにあった雷々メイだな。俺はシーバ、早速だが死んでもらう」
脱兎のごとく目前に迫ってきてメイに拳打が炸裂する。
「ヤバッッ!!」
メイはかろうじて避け距離を取る。
「強いなアンタ、油断したら完全に死ぬわ。だから最初から全力や!」
メイが間合いを詰めシーバに電気を帯びた拳打を打ち込むがシーバはそれに合わせて拳打で相殺。
閃光火花散る中で徐々にに押されていくメイ。
「そんなものか電気少女」
「くっ!だ・れ・が、電気少女や!」
煽られ乗せられ、メイは更に速く!速く!拳打の速度を上げる!
しかし、さしものメイでも体力の限界がきてしまい拳打が弱まった隙をつかれ飛ばされる。
「グワッッ!」
仰向けに倒されたメイにすかさずシーバが飛びかかり、強拳がメイの心臓に撃ち込まれる。
「ッッッッ!」
「終わりだ、すまない。数年経てばおそらくかなりの強者に成れたであろう。心の臓を止めた、さらばだメイよ」
メイの心臓は停止した。
三
図書室は落ち着く。私にとってこの学園は大事な場所、兄さんが守ってくれる私の大事な場所だから皆んな好き、メイも槍士も兄さんも先生もツグハさんもそして糸音さん、あの人は不思議な感じがする。何故か初めて会ったという気がしなかった。理由はわからないけど
「よし、今日は部屋に戻って寝よう」
譲葉は図書室の電気を消して扉をあけると
「譲葉、ここに居たのか」
「兄さん?」
「さぁ行こう」
真宵が譲葉の手を掴もうとすると譲葉は距離を取る。
「どうしたんだ?」
「兄さんはユズって言う、それにわたしはここにしか居ないからそんなこと言わない」
「あちゃー、やっちゃったか」
真宵の声では無くなった、声の主は
「まぁ連れて行くだけだからいいや」
譲葉は逃げだした。
「あら、隠れぼかしらね、まぁ時間稼ぎにはちょうど良いかな」
女は笑みを浮かべながら図書室に入ってきた。
屋敷の前に着くと糸音は足を止めた。
漂う殺気を感じて身構える。
「誰だ」
すると闇の中からフードの男が現れた。
「これは失礼した。殺気がもれてしまってたようだ。それにしてもあまりに早い到着ですね、未凪はとちったか。しかし妙ですね、あなたの様な人はリストにはなかったはず」
「さっきの奴も言っていたがリストとはなんだ?」
「まぁいいでしょう、事情を知っているので貴女も同罪ですね。死に行く貴女に話しても関係ありませんから」
男は針を飛ばしてくる、が糸音はそれを悠々と避ける。
「やるじゃないですか。では!」
男は一瞬で距離を詰めて、糸音を蹴りで屋敷の方に薙ぎ払う。
!?
糸音は門を破り本邸の前に吹っ飛ばされる。
糸音は体格は小さい方だが普通はただの蹴りでここまでは飛ばされない。間違いなく男は同業者、殺し屋であることを悟る。
「今の蹴りで落ちないとは頑丈ですね貴女は。おや?」
男の足には針が刺さっていた。
「あんたもいい蹴りじゃん。殺し屋」
「なかなかどうして。今の一瞬で受け身を取り、足に針を刺すとは何者ですか?」
「わたしは夕凪糸音、元殺し屋だ」
「夕凪?貴女は夕凪家なのですか、はっはっ、こりゃあいい、ボスにいいところは譲りましたが貴女と殺れるなら今回は良しとしましょう」
男は何が嬉しいのか笑みを浮かべている。
「こっちが名乗ったんだあんたは何者だ?」
「こいつは失礼した、私の名前はフィ・オール。夜光の衛のフィ・オール」
二
夜の森は好きだ、なぜなら夜は全てを隠す。心をも隠す。
「今日も異常なし!」
メイは今日も一人、夜の見回りをしていた。
「発見」
「ん?」
いつのまにかメイの後ろにガタイの良い男が立っていた。
「なんやお前は」
メイは半生を野生の中で生きてきた、そしてその野生の感とやらが言っていた、こいつはヤバい奴だと。間合いに入れば普通は気付くのだがこの男の存在に気付かなかった。
警戒しつつメイはいつでも対応できる様に身構える。
「リストにあった雷々メイだな。俺はシーバ、早速だが死んでもらう」
脱兎のごとく目前に迫ってきてメイに拳打が炸裂する。
「ヤバッッ!!」
メイはかろうじて避け距離を取る。
「強いなアンタ、油断したら完全に死ぬわ。だから最初から全力や!」
メイが間合いを詰めシーバに電気を帯びた拳打を打ち込むがシーバはそれに合わせて拳打で相殺。
閃光火花散る中で徐々にに押されていくメイ。
「そんなものか電気少女」
「くっ!だ・れ・が、電気少女や!」
煽られ乗せられ、メイは更に速く!速く!拳打の速度を上げる!
しかし、さしものメイでも体力の限界がきてしまい拳打が弱まった隙をつかれ飛ばされる。
「グワッッ!」
仰向けに倒されたメイにすかさずシーバが飛びかかり、強拳がメイの心臓に撃ち込まれる。
「ッッッッ!」
「終わりだ、すまない。数年経てばおそらくかなりの強者に成れたであろう。心の臓を止めた、さらばだメイよ」
メイの心臓は停止した。
三
図書室は落ち着く。私にとってこの学園は大事な場所、兄さんが守ってくれる私の大事な場所だから皆んな好き、メイも槍士も兄さんも先生もツグハさんもそして糸音さん、あの人は不思議な感じがする。何故か初めて会ったという気がしなかった。理由はわからないけど
「よし、今日は部屋に戻って寝よう」
譲葉は図書室の電気を消して扉をあけると
「譲葉、ここに居たのか」
「兄さん?」
「さぁ行こう」
真宵が譲葉の手を掴もうとすると譲葉は距離を取る。
「どうしたんだ?」
「兄さんはユズって言う、それにわたしはここにしか居ないからそんなこと言わない」
「あちゃー、やっちゃったか」
真宵の声では無くなった、声の主は
「まぁ連れて行くだけだからいいや」
譲葉は逃げだした。
「あら、隠れぼかしらね、まぁ時間稼ぎにはちょうど良いかな」
女は笑みを浮かべながら図書室に入ってきた。