第104話 謎の声
文字数 1,387文字
一
「兄さん達、気をつけてね」
「あぁ、ミナモさん頼みますね」
「はい」
いつまで経っても帰って来ない糸音を不審に思い、ルクスリアと紅羽は探しに行くことにした。
「さて、森の奥に行った可能性があるな」
「森の奥には何かあるのか?」
「いいや、俺も行った事はないがな。だからこそ何がいるかもわからないんだ」
「あの熊、あれは普通では無かった。実は対峙した時、違和感があった」
「違和感?」
「あぁ、熊の皮膚が妙に硬かった。私の爪も少し欠けるくらいにな。まるで誰かに強化された様な感じだったな。それにおそらくあれは子供だ。もし私の読みが正しければ親がいる」
「まずいな、もしそうなら子を殺された恨みで凶暴化するなんてあり得る事だからな」
「とにかく、森の奥へ急ごう」
「あぁ」
二人は夜の森へ入っていった。
二
(あぁ、だめだ、、、ふらつく、、、くそ)
糸音はふらつきながら針剣を構え、向かってきたグリズリーの攻撃を受ける。しかしそれもギリギリもギリギリ、なすすべなく鋭い爪が糸音の横腹に突き刺さった。
「くっ!」
「いいぞ!だが死体は綺麗な方がいい。心臓だけ抉るのだグリズリー」
「ぐおおお!!」
グリズリーはもう片方の手で糸音の心臓目掛けて襲いかかる。
(だめか、、死ぬな、あぁ、ごめんな紅羽、ルクスリア。椿ともう少し遊びたかったな、、、)
そんなことを思っていると、突然脳内に声が響く。
(こんなところで死なれては困る)
その瞬間、糸音は意識を失った。そして心臓へと向かったグリズリーの爪はその手前で割れた。そしてグリズリーは謎の衝撃波によって壁へと吹き飛ばされる。
「なっ、なんだ!何が起こった!」
糸音を中心にドン!ドン!と一定のリズムで衝撃波が放たれていた。グリズリーが再び立ち上がり糸音へと猛スピードで駆けてきた。
しかし次の瞬間、グリズリーの腕が飛んでいきその場に倒れた。
「なんなんだ!?お前は!いけぇー!狼共!」
クワイエットは目の前にいる者に恐怖し、乱心で鞭を叩きつけ、無数の狼達を焚き付けると一斉に糸音へと向かわせた。
「小さき命よ、すまない」
散れ
次の瞬間、糸音は手を叩くと自分を中心に衝撃波を放った。狼達を吹き飛び、その衝撃波は洞窟を内側から吹き飛ばした。
「ばかなーー!!!」
クワイエットも衝撃波により体を粉々にされた。気づくと糸音を中心に直径約200メートルもの大きなクレーターができた。グリズリーも無数の狼も木々と共に消えた。糸音はその中心に立っていたが意識を失い倒れる。
「なんだ今の音は!?」
近くまで来ていた紅羽達は凄まじい風と共に大きな音を聞いた。二人はかろうじて飛ばされる事なく踏ん張った。
「こっちだ!紅羽!」
ルクスリアと紅羽は音が鳴った方向へと急ぐ。そして二人が音の鳴った場所に着くと、そこにはまるで隕石でも落ちたかの様な巨大なクレーターがあった。
「これは、、なんだ、、」
「何があったんだ、、ん?おい!あそこに糸音がいるぞ!」
ルクスリアがクレーターの中心に糸音が倒れているのを見つけて二人は糸音のもとへ駆けていき呼びかける。
「糸音!しっかりしろ!」
「何なんだ、、」
「心臓は動いている。紅羽、今は糸音を連れて帰ろう。何があったかは目覚めた糸音に直接聞こう」
「そう、、だな」
二人は糸音を連れてクレーターを後にした。
「兄さん達、気をつけてね」
「あぁ、ミナモさん頼みますね」
「はい」
いつまで経っても帰って来ない糸音を不審に思い、ルクスリアと紅羽は探しに行くことにした。
「さて、森の奥に行った可能性があるな」
「森の奥には何かあるのか?」
「いいや、俺も行った事はないがな。だからこそ何がいるかもわからないんだ」
「あの熊、あれは普通では無かった。実は対峙した時、違和感があった」
「違和感?」
「あぁ、熊の皮膚が妙に硬かった。私の爪も少し欠けるくらいにな。まるで誰かに強化された様な感じだったな。それにおそらくあれは子供だ。もし私の読みが正しければ親がいる」
「まずいな、もしそうなら子を殺された恨みで凶暴化するなんてあり得る事だからな」
「とにかく、森の奥へ急ごう」
「あぁ」
二人は夜の森へ入っていった。
二
(あぁ、だめだ、、、ふらつく、、、くそ)
糸音はふらつきながら針剣を構え、向かってきたグリズリーの攻撃を受ける。しかしそれもギリギリもギリギリ、なすすべなく鋭い爪が糸音の横腹に突き刺さった。
「くっ!」
「いいぞ!だが死体は綺麗な方がいい。心臓だけ抉るのだグリズリー」
「ぐおおお!!」
グリズリーはもう片方の手で糸音の心臓目掛けて襲いかかる。
(だめか、、死ぬな、あぁ、ごめんな紅羽、ルクスリア。椿ともう少し遊びたかったな、、、)
そんなことを思っていると、突然脳内に声が響く。
(こんなところで死なれては困る)
その瞬間、糸音は意識を失った。そして心臓へと向かったグリズリーの爪はその手前で割れた。そしてグリズリーは謎の衝撃波によって壁へと吹き飛ばされる。
「なっ、なんだ!何が起こった!」
糸音を中心にドン!ドン!と一定のリズムで衝撃波が放たれていた。グリズリーが再び立ち上がり糸音へと猛スピードで駆けてきた。
しかし次の瞬間、グリズリーの腕が飛んでいきその場に倒れた。
「なんなんだ!?お前は!いけぇー!狼共!」
クワイエットは目の前にいる者に恐怖し、乱心で鞭を叩きつけ、無数の狼達を焚き付けると一斉に糸音へと向かわせた。
「小さき命よ、すまない」
散れ
次の瞬間、糸音は手を叩くと自分を中心に衝撃波を放った。狼達を吹き飛び、その衝撃波は洞窟を内側から吹き飛ばした。
「ばかなーー!!!」
クワイエットも衝撃波により体を粉々にされた。気づくと糸音を中心に直径約200メートルもの大きなクレーターができた。グリズリーも無数の狼も木々と共に消えた。糸音はその中心に立っていたが意識を失い倒れる。
「なんだ今の音は!?」
近くまで来ていた紅羽達は凄まじい風と共に大きな音を聞いた。二人はかろうじて飛ばされる事なく踏ん張った。
「こっちだ!紅羽!」
ルクスリアと紅羽は音が鳴った方向へと急ぐ。そして二人が音の鳴った場所に着くと、そこにはまるで隕石でも落ちたかの様な巨大なクレーターがあった。
「これは、、なんだ、、」
「何があったんだ、、ん?おい!あそこに糸音がいるぞ!」
ルクスリアがクレーターの中心に糸音が倒れているのを見つけて二人は糸音のもとへ駆けていき呼びかける。
「糸音!しっかりしろ!」
「何なんだ、、」
「心臓は動いている。紅羽、今は糸音を連れて帰ろう。何があったかは目覚めた糸音に直接聞こう」
「そう、、だな」
二人は糸音を連れてクレーターを後にした。