第93話 また会おう
文字数 1,250文字
翌日、詩織がこの国を発つ日となり、見送りの為、南のサベロの港に四人はいた。
「おいおい、そんな小舟でいけるのか?」
糸音は詩織が立っている小舟を見て言う。
「まぁ、いけるしょ!」
「ほんとかよ」
「まぁ詩織の事だし、いけるだろ」
詩織はルクスリアに向かってグッドサインを出した。
「じゃあ皆んな、あんがとねー。まぁまた会えるよ、何かあったら呼んで、その時は言い値で引き受けるよ!」
「あぁ、近いうちに俺たちも戻るから、いずれまた会えるかもな」
詩織は笑顔で手を振り、船を出すとゆっくりと進み出す。
「ルクスリア!頑張れよー!」
「あぁ!元気でな詩織!」
詩織がゆっくりと遠くへと消えていく。
「あっさりな別れだったな」
「まぁ、また会えるからな。どっかでな」
「ルクスリア、泣いてないか?」
「ばかが!泣いてないよ。また会えるんだから」
「そうか」
三人は詩織を見送ると一旦、サベロの街へと戻った。
夜になり、夕食を済ませた紅羽は部屋で出立の準備をしていた。糸音は特に準備が無いので部屋で早々に寝てしまった。そして紅羽の部屋に客人がやってきた。
「よう、紅羽」
「何だルクスリアか、どうした?」
「あぁ少しいいか」
「ん?まぁいいぜ」
二人は外へ出ると、最近営業を始めた喫茶店へと赴いた。
「吸血鬼ってコーヒー飲めるのか?」
「あぁ、美味しいよ。人間のころと変わらない味覚だよ」
「へぇ、、んで何だ?話って」
「糸音と実家に帰るんだろ」
「あぁ」
「一つ頼みなんだが、糸音を戦いから遠ざけてほしいんだ。糸音はこの国で、いやもっと前から人を殺し続けていて、その度にアイツの中にある何かが表へ出てきている」
「わかっているさ、俺もアイツの中に眠る何かには気づいているからな」
「世話かけるな。糸音をよろしく頼む」
「あぁ、それにしてもこの街も数日で雰囲気がだいぶ変わったな」
「そうだな、こんな素敵な喫茶店もできて、この国は徐々に再建し始めている」
「そういえばルクスリアはどうするんだ?この国で再び王様になるのか?」
「いや、この国に王はいらないよ。私はこの国の治安を維持する為の組織を作り、いずれ外交で他国と交流を結ぼうと思っている」
「いいじゃねぇか。それならさ、俺のところの京のお偉いさんに話通しといてやるよ」
「ありがたい話だな。その時は頼む」
「おうよ!」
二人はコーヒーを飲み終えると静かに宿へと戻り眠りについた。
翌日、ルクスリアの知り合いが用意してくれた大型船の前で三人は談笑していた。
「ルクスリア、色々とありがとう」
「あぁ、こちらこそだ。またいつでも来い」
「あぁ、いずれ寄らせてもらうよ」
「じゃあなルクスリア、頑張れよ」
「互いにな、紅羽」
二人が搭乗すると船は動きだした。
「夕凪糸音!紅呂紅羽!」
ルクスリアは去り行く二人に向かって敬礼をしながら言葉を続ける。
「二人の正義に感謝する!この国を救ってくれた英雄に幸あれ!」
二人はそれを見て微笑むとルクスリアに手を振った。
「おいおい、そんな小舟でいけるのか?」
糸音は詩織が立っている小舟を見て言う。
「まぁ、いけるしょ!」
「ほんとかよ」
「まぁ詩織の事だし、いけるだろ」
詩織はルクスリアに向かってグッドサインを出した。
「じゃあ皆んな、あんがとねー。まぁまた会えるよ、何かあったら呼んで、その時は言い値で引き受けるよ!」
「あぁ、近いうちに俺たちも戻るから、いずれまた会えるかもな」
詩織は笑顔で手を振り、船を出すとゆっくりと進み出す。
「ルクスリア!頑張れよー!」
「あぁ!元気でな詩織!」
詩織がゆっくりと遠くへと消えていく。
「あっさりな別れだったな」
「まぁ、また会えるからな。どっかでな」
「ルクスリア、泣いてないか?」
「ばかが!泣いてないよ。また会えるんだから」
「そうか」
三人は詩織を見送ると一旦、サベロの街へと戻った。
夜になり、夕食を済ませた紅羽は部屋で出立の準備をしていた。糸音は特に準備が無いので部屋で早々に寝てしまった。そして紅羽の部屋に客人がやってきた。
「よう、紅羽」
「何だルクスリアか、どうした?」
「あぁ少しいいか」
「ん?まぁいいぜ」
二人は外へ出ると、最近営業を始めた喫茶店へと赴いた。
「吸血鬼ってコーヒー飲めるのか?」
「あぁ、美味しいよ。人間のころと変わらない味覚だよ」
「へぇ、、んで何だ?話って」
「糸音と実家に帰るんだろ」
「あぁ」
「一つ頼みなんだが、糸音を戦いから遠ざけてほしいんだ。糸音はこの国で、いやもっと前から人を殺し続けていて、その度にアイツの中にある何かが表へ出てきている」
「わかっているさ、俺もアイツの中に眠る何かには気づいているからな」
「世話かけるな。糸音をよろしく頼む」
「あぁ、それにしてもこの街も数日で雰囲気がだいぶ変わったな」
「そうだな、こんな素敵な喫茶店もできて、この国は徐々に再建し始めている」
「そういえばルクスリアはどうするんだ?この国で再び王様になるのか?」
「いや、この国に王はいらないよ。私はこの国の治安を維持する為の組織を作り、いずれ外交で他国と交流を結ぼうと思っている」
「いいじゃねぇか。それならさ、俺のところの京のお偉いさんに話通しといてやるよ」
「ありがたい話だな。その時は頼む」
「おうよ!」
二人はコーヒーを飲み終えると静かに宿へと戻り眠りについた。
翌日、ルクスリアの知り合いが用意してくれた大型船の前で三人は談笑していた。
「ルクスリア、色々とありがとう」
「あぁ、こちらこそだ。またいつでも来い」
「あぁ、いずれ寄らせてもらうよ」
「じゃあなルクスリア、頑張れよ」
「互いにな、紅羽」
二人が搭乗すると船は動きだした。
「夕凪糸音!紅呂紅羽!」
ルクスリアは去り行く二人に向かって敬礼をしながら言葉を続ける。
「二人の正義に感謝する!この国を救ってくれた英雄に幸あれ!」
二人はそれを見て微笑むとルクスリアに手を振った。