42話 突然の

文字数 1,184文字

重力を感じなくなった。どうやら、最上階に着いたらしい。土曜日の夜なのに、隠れスポットのせいか人はおらず、それが嬉しかった。なぜなら人がいれば、イチャイチャするのをお互いためらうからだ。僕は胸を触りたくて仕方がなかった。

僕達はエレベーターを降り、窓際に向かった。夜景は美しく、大阪の街を一望できる。景色を眺めてはいたが、未だに美保さんは僕の手を離さないでいる。

『私、ずっと好きだったんだ・・』

『えっ、ありがとうございます』

それは突然の告白だった。僕はとりあえずお礼の言葉をかけた。

『好きな人居てるの?』

『はい』

『私の知ってる人?』

『1番知ってるかもしれないですね』

僕の言葉に美保さんは悩んでいた。

『わからないよ。1番知ってる人だもんなあ・・もしかして私?』

『はい、美保さんです』

『本当に?なんか気遣ってる気がするよ?』

『気なんか遣ってないですよ。好きじゃない人とわざわざデートしますか?』

『ありがとう、そうなら嬉しいけど・・』

美保さんから告白の言葉をかけてきたが、少しきつめの顔はなぜだか、戸惑っているようだった。

僕は美保さんの手を強く握り返し、目を見つめて言った。

『僕達、今日からカップルですね』

『うん・・よろしくお願いします』

『こちらこそ、よろしくお願いします』

お互い顔が赤らんでいた。緊張具合も同じだっただろう。今日から僕の彼女は美保さんになった。とういことは、この胸も僕のものだ。美保さんを知る男達に勝った気がしていた。

『キスしたい』

美保さんは真面目そうに見えるのに大胆だ。

『まだ付き合ったばかりですよ?』

僕は真面目なキャラを演じている。

『付き合ったばかりだけど、私はずっも片思いしてたもん・・』

チュ

僕は美保さんの薄い唇にキスをした。美保さんはいきなり舌を入れ、激しく絡めてくる。僕も負けじと激しく絡め、右手は自然と胸を揉んでいた。
それはすごい胸だった。硬さはちょうどソフトテニスボールくらいで、思っていたほど柔らかくなかったが、手に収まりきらない程の爆乳だ。僕の突起物は一瞬にして負けた。

『何人と付き合ったことあるの?』

美保さんは僕に問いかけた。おそらく何人とキスをしたのか、何人と『それ』をしたのかが気になっていたのであろう。

『4人・・』

本当は美保さんで2人目だが、まなみの時と同じように嘘をついた。

『そっかあ・・私は3人だよ』

『もっといるでしょう?』

『本当だよ』

僕は美保さんの4人目の男になるのか。美保さんは僕の2人目なのに・・

この時も経験人数の少なさをコンプレックスに感じていた。

(もっと経験しなければ・・)

『それ』を多く経験したからといって、何になるのだろうか。この時の僕は全くわかっていなかった。
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