45話 入室

文字数 1,153文字

(ラブホテルってすごい)

僕は初めて入ったラブホテルに圧倒されていた。扉を開けるとそこには広いベッドが中央にあり、まさに『それ』のための部屋だ。枕元にはボタンがたくさんあり、その中でも驚いたのが照明設定の多さだ。明るさを自由に調節できるが、ボタンの多さに僕は戸惑ってしまった。照明が真っ暗になったと思えば、明るくなったりと、上手く調整できないでいる僕を見て、えりかさんはまた言ってきた。

『本当にピュアで可愛いね』

僕は疑問だったことを聞いてみた。

『男に可愛いって褒め言葉なんですか?』

『褒め言葉だよ。嫌な気するの?』

『嫌ではないですけど、複雑な気持ちです』

『そっかあ・・じゃあシャワー浴びてくるね、一緒に入る?』

僕は顔が赤くなった。

『1人で入ります』

『可愛いね』

えりかさんはシャワールームへ向かい、服を脱ぐ音が聞こえた。そしてシャワーの音が聞こえたので、僕はラブホテル探検をしてみた。

まずは枕元のボタンをじっくりと見てみた。シーン1、シーン2、シーン3などの既存設定から、自分で微調整できるモードまでもがあった。真ん中にはテレビのボタン、その横にはラジオやアラームのボタンがあった。テレビのボタンを押すといきなりセクシー女優が絡んでいた。僕はびっくりしてすぐに消した。

部屋を見回るとゲームやカラオケ、パチスロなどもあったが、どうも使う気にはならない。ゲームのコントローラーやマイク、パチスロのボタンには何人の男、何人の女のエキスが付いているのだろうか?僕は潔癖症ではないが、想像するだけで気持ち悪い。戸棚を開けるとコップやお皿、スプーンなどがあったが絶対に使いたくない。逆に皆使っているのだろうかと疑問に思った。

探検が一通り終わったのでベットに腰掛けた頃、えりかさんがシャワールームから出てきた。

『はぁー、気持ちよかった。お先でした』

バスローブに身を包んだえりかさんは僕の隣に座り、妙な色気と共に僕の目を見た。

『じゃあ、ぼ』

キスで口を塞がれた。えりかさんの舌が激しく絡んできて、鼻息が口にあたる。えりかさんはキスをしながら、僕の乳首に手を回してきた。その瞬間、僕の身体が震えたのを見逃さなかったのだろうか、集中して攻められた。

そして上の服から脱がされ、ベルトをスムーズに緩め、瞬く間に裸にされた。服を脱がす時も僕の口から、えりかさんの口は離れなかった。僕はノールックで服を脱がされた。

(この人、相当・・)

えりかさんの手捌きに僕の期待は高まり、どんなプレイが来るのか待ち遠しかった。僕の口から口がやっと離れた。

『そのままでいいよ』

えりかさんがこの一言を発した後、また口を奪われた。

僕はシャワーをさせてもらえなかった。
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